
シンガポールで出産をする時にお医者さんから勧められるのがエピドラルという麻酔です。本記事ではそんなエピドラルについて解説していきます。
エピドラルって何?
エピドラルは硬膜外麻酔と呼ばれる麻酔で、背骨の辺りにある「硬膜外腔」という場所に薬を打つことで痛みをとる方法です。
出産時に感じる痛みを伝える神経は背骨の中に集まっていて、エピドラルでこの神経をブロックする事で痛みを抑えます。
シンガポールでの出産では、出産予定日の数週間前にお医者さんからエピドラルついて説明があります。実際に「エピドラルを使用するかどうか」「エピドラルを打つタイミング」は陣痛が始まってから妊婦さんが自分で決めることができます。
また、エピドラルの投与量は妊婦さんが赤ちゃんを押し出せるように下半身の感覚を失わない程度に調節されます。
NOTE エピドラルは無痛分娩だけではなく、その他の医療現場でも使用されている麻酔です。
何故エピドラルが使われる?
出産時に使用される麻酔にがいくつかある中で、エピドラルが使用されるのは赤ちゃんへの影響が起こりにくいからです。
エピドラルは他の麻酔と違い血液を経由せずに投与されることから、薬が胎盤を通して赤ちゃんに届く事が殆どありません。これが大きな理由となり世界中で無痛分娩時に使用されています。
シンガポールではエピドラルの使用はとても一般的で、妊娠や出産の話をする時はエピドラルの使用を前提として会話が進む事が多いです。
エピドラルの副作用
エピドラルは妊婦さんにとっては、頼もしい麻酔なのですが、エピドラルには知っておきたい副作用もあります。
日本産科麻酔学会のウェブサイト上では3つの項目にわけて副作用が説明されています。
よく起こる副作用
- 足の感覚が鈍くなる、足の力が入りにくくなる
- 低血圧
- 尿をしたい感じが弱い、尿が出しにくい
- かゆみ
- 体温が上がる
まれに起こる不具合
- 硬膜穿刺後頭痛
- 血液中の麻酔薬の濃度がとても高くなってしまうこと(局所麻酔薬中毒)
- お尻や太ももの電気が走るような感覚
- 脊髄くも膜下腔に麻酔の薬が入ってしまうこと(高位脊髄くも膜下麻酔・全脊髄くも膜下麻酔)
- 硬膜外腔や脊髄くも膜下腔に血のかたまり、膿(うみ)のたまりができること
詳しくは、日本産科麻酔学会のウェブサイトをご覧下さい。
また、シンガポールでは、出産予定日の数週間前にお医者さんからエピドラルの副作用についての説明と副作用について理解している旨の証明として契約書に署名を行います。
まとめ
エピドラルには賛否両論ありますが、出産を控えた妊婦さんにとっては心強い麻酔であるのは間違いありません。陣痛の痛さを不安に感じる妊婦さんもいらっしゃると思いますので、参考に覚えておいてもらえらば嬉しいです。
参考文献
日本産科麻酔学会ウェブサイト