
重国籍の方の海外渡航について OK LAHではシンガポールで子育てをする日本人の皆様のお役に立てる情報の投稿を行っています。今回は、複数の国籍を持つ方(重国籍者)が海外移動する際に知っておきたい情報についてまとめてみました。
重国籍者が海外へ移動する際の必要知識
重国籍者が使うパスポートについて
重国籍者が「自身が国籍を持つ国」から「自身が国籍を持つ国」へ移動する際は、①出国の場合は出国元となる国のパスポート、②入国の際には入国先となる国のパスポートを使用します。例えばシンガポールと日本の二重国籍者がシンガポール→日本へ渡航をする場合、シンガポールからの出国にはシンガポールのパスポートを使用し、日本への入国には日本のパスポートを使用します。そのため、重国籍者は自身が持つ国籍分のパスポートを持ち歩くこととなります。
また、重国籍者が「自身が国籍を持つ国」から「自身が国籍を持たない国」へ移動する際は、好きなパスポートで移動ができますが、大体の場合は①渡航先に入国しやすいパスポート、②出国元となる国のパスポートを使用します。例えばシンガポールと日本の二重国籍者がシンガポール→アメリカへ渡航をする場合、アメリカでより利便性のあるパスポートもしくはシンガポールのパスポートを使用する場合が多くなります。(出国元となる国のパスポートを使用するのは、帰国先である国のパスポートを使用していた方が管理が楽だからです。)
自身が国籍を持つ国の間を移動する際のポイント
- ①出国の場合は出国元となる国のパスポート、②入国の際には入国先となる国のパスポートを使用する。
- 渡航先国の入国と出国では同じパスポートを使う必要がある。
- 入国審査で提示するパスポートに迷った時は、持ってるパスポート全てを出せばOK。
自身が国籍を持つ国から持たない国へ移動する際のポイント
- ①渡航先に入国しやすいパスポート、②出国元となる国のパスポートを使用する方が多い。
- 渡航先国の入国と出国では同じパスポートを使う必要がある。
重国籍者が日本へ入国する際について
日本の国籍を持つ重国籍者が日本に入国する際には、日本人として(日本のパスポートを持って)入国することが原則とされています。もし日本に入国する際に諸事情により日本以外のパスポートのみを所持していた場合、外国人として日本に入国する事となってしまいます。
やむを得ず日本以外のパスポートで来日した場合、入国審査の際に日本国籍を保有していることを立証する文書(戸籍謄本等)を提示する事で日本人としての入国を許可される事もあります。また、入国審査の際に日本国籍の証明ができず、外国人として入国した場合でも、後日に地方入国管理局に日本国籍を立証する書類を提出することで在留資格(外国人として在留している記録)を抹消してもらうこともできます。
重国籍者が日本に入国する際のポイント
- 日本国籍を持つ方は「日本人として日本に入国する」ことが基本原則。
- やむを得ず日本旅券が手元にない場合は、外国人として入国する事になる。
- 入国審査で日本国籍を立証する事ができれば、日本旅券が無くても日本人として入国ができる。
- 外国人として入国した場合でも、地方入国管理欲で日本国籍を立証すれば、在留資格の抹消ができる。
航空券の購入で使用するパスポートについて
重国籍者が航空券を購入する際に使用するパスポートについては、基本的なルール等は無く自身の好きなパスポートを使う事ができます。
■ 航空券を購入する際の注意
航空会社側が行う本人確認の際に、航空券と提示するパスポート内に記載されている氏名の表記が完全一致する必要があります。その為、パスポート毎に異なった名前をお持ちの方は、本人確認に使用するパスポートに記載されている名前で航空券を購入する必要があります。
「自身が国籍を持つ国」から「自身が国籍を持つ国」へ移動する際は、出国に使用するパスポートと入国に使用するパスポートが異なる場合がありますが、この時に管理官に提示するパスポートと航空券の購入に使うパスポートが同一である必要はありません。
航空券の購入についてのポイント
- 航空券の購入に使う氏名とパスポートの氏名が一致している事が大切。
- 「自身が国籍を持つ国」の間を移動する際は、航空券の購入に使用するパスポートと入出国審査で提示するパスポートが同一である必要はない。
入国管理官の方も重国籍の取り扱いに慣れている
重国籍を持つ方は世界に沢山いらっしゃいます。入国管理官の方も重国籍者の取り扱いには慣れていますので、不安な事があれば入国管理官の方に相談しましょう。入国審査の際にも重国籍者に合わせた対応を行なってくれます。
本ページに記載されている情報について
本ページに記載されている情報は、本記事を作成したOK LAHスタッフの実体験や重国籍を持つ友人からの話をもとに作成されています。また、重国籍者の扱いについてはシンガポールと日本との重国籍保持者を基準として書いています。重国籍者の取り扱いについては国によって異なる部分もありますので、不明な点があれば出国元もしくは入国先の入出国管理局に確認をするようお願いします。