多重国籍者の海外移動について

低スペックなのにシンガポールに移住した「クオッカ仮面」です。

私事ではありますが、私にはシンガポール国籍と日本国籍を持つ息子(クオッカJr.)がおります。

その息子を日本に帰国させた際に、多重国籍者の渡航事情について調べましたのでブログ記事としてまとめておきます。

クオッカJr.について

多重国籍者の渡航事情に入る前に、本記事内で例として登場する私の息子(クオッカJr.)について少しまとめました。

  • シンガポールと日本の二重国籍
  • シンガポールと日本のパスポート所持
  • 出生地はシンガポール
  • シンガポールと日本で登録されている名前が異なる(英名と和名)

本記事で解説しますが、上記ので一番問題発生に繋がりやすいのは、国ごとに違った名前で登録されている部分でした。

多重国籍者が渡航時に使う国籍

ここからは、多重国籍者が国外へ移動する時にどのように国籍を使い分けるかについて解説していきます。

また、ここでの前提条件として「パスポートの発行」が基本的な必須事項となります。

国籍を取得していてもパスポートが無ければ、その国籍を使用した渡航ができません。(例外のケースもある)

ですので、本ページでは自分が持つ国籍分のパスポートを持っている前提で進めていきます。

国籍所持国Aから国籍所持国Bへの移動

多重国籍者が「自身が国籍を持つ国A」から「自身が国籍を持つ国B」へ移動する時は、以下の通りとなります。

  • 出国の場合は出国元となる国のパスポートを使用する。
  • 入国の際には入国先となる国のパスポートを使用する。

クオッカJr.の例

シンガポールから日本へ渡航をする場合は、シンガポール出国時にシンガポールのパスポートを使用し、日本入国時に日本のパスポートを使用します。逆に日本出国時には日本のパスポート、シンガポール入国時にはシンガポールのパスポートを使用します。

国籍所持国から国籍非所持国への移動

多重国籍者が「自身が国籍を持つ国」から「自身が国籍を持たない国」へ移動する時は、以下の通りとなります。

  • 国籍所持国での出入国には同国のパスポートを使用する。
  • 渡航先の国籍非所持国では好きなパスポートを使用する。

渡航先国で使用するパスポートは、ビザ取得や渡航中の管理面でより使いやすいものを選んで使用するのが一般的です。

クオッカJr.の例

シンガポールからアメリカへ渡航をする場合、シンガポールでの入出国時はシンガポールのパスポートを使用し、アメリカでの入出国時はアメリカでより利便性の高いパスポートを使用します。

※日本のパスポートとシンガポールのパスポートで使用面における大きな差が無い場合は、シンガポールのパスポートを使います。(管理が簡単なので)

多重国籍者が日本へ入国する際のルール

日本国籍を持つ多重国籍者が日本へ入国する時は、日本人として入国することが原則とされています。

ただし、諸事情により他国籍のパスポートを使用する場合は、外国人として日本に入国する事となります。

また、他国籍のパスポートのみを所持していた場合でも、以下によって日本国籍者として入国もしくは在留資格の抹消が可能となっています。

入国審査時に日本国籍を持っている事を証明する文書の提示ができれば日本人としての入国を許可される場合がある。

日本国籍の証明ができず、外国人として入国した場合でも、後日に地方入国管理局に日本国籍を証明できる書類を提出することで在留資格を抹消してもらう事ができる。

日本は多重国籍者を認めていない

外国の国籍と日本の国籍を有する重国籍者は、20歳に達するまでに(18歳に達した後に重国籍になった場合は、重国籍になった時から2年以内に)、いずれかの国籍を選択する必要があります。 選択しない場合は、日本国籍を失う可能性もあります。

航空券の購入で使用するパスポートについて

多重国籍者が航空券を購入する際に使用するパスポートについては、基本的なルール等は無く、自身の好きなパスポートを使う事ができます。

航空券を購入する際の注意

航空会社側が本人確認を行う際に、航空券と提示するパスポート内に記載されている氏名の表記が「完全一致」する必要があります。

その為、パスポート毎に異なった名前をお持ちの方は、本人確認に使用するパスポートに記載されている名前で航空券を購入する必要があります。

渡航元国から出国時に使用するパスポートと渡航先国で入国時に使用するパスポートが異なる場合がありますが、この時に管理官に提示するパスポートと航空券の購入に使うパスポートが同一である必要はありません。

最後に

多重国籍者の渡航について調べてみると、案外自分が知らない事が多いのだなと感じました。
最もおススメな方法としては、やはり全てのパスポートを持ち歩くのが簡単かなと思います。
入国管理局も航空会社も多重国籍者の取り扱いには慣れていますので、複数パスポートを見せればすぐに対応をしてくれます。

ただし、中には多重国籍であった事が理由(特に国籍事の名前の違い)によって渡航に問題が発生したケースも耳にしますので、基礎知識は持っていてもいいのかなと思います。

このページに記載されている情報について

このページに記載されている情報は、クオッカ仮面の実体験や多重国籍を持つ友人からの話をもとに作成されています。

また、多重国籍者の扱いについてはシンガポールと日本とのニ重国籍であるクオッカJr.を基準として書いています。

多重国籍者の取り扱いについては国によって異なる部分もありますので、不明な点があれば出国元もしくは入国先の入出国管理局に確認をするようお願いします。

おすすめの記事