中秋節(英:Mid-Autumn Featival)は中華系の方々が持つ文化の1つで、中国では4大伝統祝日にも数えられています。中秋節は旧暦の8月15日(日本のカレンダーでは9月か10月頃)となり、この時期になると家族が集まり、ランタンや月餅と共に秋の収穫の終わりを祝います。

中秋節は中国、韓国、ベトナム等の一部の国では祝日(シンガポールでは祝日に指定はされていません)にもなっています。また、中秋節は「月餅祭」とも呼ばれるお祭りで、この時期になると月餅を食べる習慣があります。

中秋節には月を愛でるお祭り

中秋節は月を愛でるお祭りである為、祝祭は日が沈んでから行われます。また、中秋節には円卓を囲んで食事をする習慣があり、これは満月や円卓が「団欒」の象徴だと考えられているからです。食事以外にも月見、月祭り、月餅、提灯など満月の夜に行われる習慣もあります。

※この習慣は国と地域によって異なり、ドラゴンダンス等のイベントを行う国や月餅ではなく焼き肉を食べる習慣を持った地域もあります。

中秋節に纏わる話

中秋節にはいくつかの面白い伝説も存在しています。その中でも有名な伝説が「月の女神となった嫦娥(チャンアー)の物語」です。

大昔に非道な王の妻であったであった嫦娥(チャンアー)は、夫の支配から人々を救うために、彼が飲もうとしていた不死の霊薬を飲みました。その勇敢な行為の後、彼女は月へと昇り、それ以来中国系の人々に「月の女神」として崇められていると物語では述べられています。

また別の伝説では、この嫦娥がウサギと共に月に住んでいて、月を崇拝した人々の願いを叶えてくれると信じられています。

中秋節とムーンケーキ(月餅)

中秋節に行われる習慣の中でも目玉となるのが「月餅(Mooncake)」です。シンガポールでも中秋節の時期になると国のいたるところで月餅が販売されているのを目にします。元々はお供え物として食べられていた月餅ですが、現在では円満と幸福の象徴となっていて親しい方やお世話になった方への贈り物として購入されます。

また、月餅のバラエティーも年々増えていて、最近では外側がモチっとした雪肌月餅に加え、動物の形、花の形、ハートの形など様々な形をした月餅が販売されています。

ランタンを持ち歩く

中秋節の日にはランタンを持って近所を歩く習慣があります。この時期のチャイナタウンに足を運ぶと綺麗なランタンが多く展示されているのを見ることができます。また、伝統的なランタン以外にも子供用に動物や乗り物、アニメのキャラクターが描かれたランタンも販売されています。