ナショナルサービス(National Service)とは?
ナショナルサービス(National Service、略称NS)は、シンガポールの国民に義務付けられている兵役制度のことです。シンガポール国籍を持つ18歳の男性は、一定の条件のもと、シンガポール軍(SAF)、警察(SPF)、または民間防衛隊(SCDF)のいずれかに配属され、約2年間の服務を行う必要があります。(小国であるシンガポールは、独立後すぐに強固な国防体制を築く必要があり、これが市民が直接防衛に関わる本制度が設けられたきっかけとされています。)
また、ナショナルサービスは単なる兵役ではなく、国民の団結や責任感を育む機会とされています。異なるバックグラウンドを持つ若者がともに訓練を受けることで、国民の一体感が生まれ、多文化社会の中での協力が促進されます。このような側面からも、シンガポール社会において重要な役割を担っています。
ナショナルサービスの仕組み
ナショナルサービスは、シンガポールの国防や治安維持のために導入された制度です。1967年に施行されて以来、国の安全保障の基盤として機能しています。対象者は18歳になる年に登録し、適性検査を受けた後、配属先が決定されます。
配属先は、主にシンガポール軍(SAF)、シンガポール警察(SPF)、またはシンガポール民間防衛隊(SCDF)の3つの組織に分かれています。軍隊では戦闘訓練や兵器の扱いを学び、警察では市民の安全を守るための業務を担当します。民間防衛隊では、消防や救助活動を含む災害対応を主な任務とします。
服務期間は基本的に約2年間ですが、配属先や職務によって若干の違いがあり、また服務後は予備役(Reservist)として登録され定期的な訓練を受ける義務が発生します。
ナショナルサービスの対象者と適用条件
ナショナルサービスの対象となるのは、主にシンガポール国籍もしくは永住権(PR)を持つ18歳の男性です。(永住権保持者は、取得の背景によって差異があります。)また、免除や延期の申請が認められるケースがあるものの、基本的には海外に住んでいるシンガポール国籍者にも同様に登録義務が発生します。