デング熱(英:Dengue Fever)は、デングウイルスを持った蚊に刺されることによって感染する疾患です。東南アジア、南アジア、中南米、南アフリカなどの温暖な地域で多く発生する感染症で、シンガポールでも度々確認されています。
デングウイルスには4つの血清型(1~4型)があります。型による症状に違いはありませんが、違った血清型に対する免疫は数ヶ月ほどで落ち初めてしまいます。(例:1型のデングウイルスに感染した場合、2〜4型に対する長期的な免疫は持てない)
また、デング熱と合わせて警戒したい感染症として「ジカ熱」があります。
デング熱の原因(感染経路)
デングウイルスを持ったネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染します。(デングウイルスに感染した人の血を吸った蚊が他の人を刺すことで感染が広がっていきます)
デング熱とデング出血熱
デング熱の症状には発熱、頭痛、関節痛などがあります。また、一部の患者には、デング出血熱と呼ばれる出血症状が現れ、これには、出血性の発疹、歯ぐきや鼻血の出血、消化器系の出血などが含まれます。デング出血熱は命にかかわることがあり、早期の診断と治療が必要とされます。
デング熱の治療法と予防策
デング熱の治療法
デング熱には特別な治療法がなく、対処療法が取られます。デング熱に感染した可能性がある場合は、すぐに現地の医療機関で検査を受けて下さい。
デング熱の予防策
デング熱に対するワクチンはありませんので、蚊に刺されないように行動をする事が主な予防策となります。
下記は、デング熱を防ぐ為に推奨されている予防策です。
- デング熱の流行国への渡航は控える。
- 肌の露出を少なくする。
- 虫除けスプレーや虫除けパッチを使う。
- 室内では電気蚊取り器、蚊取り線香や殺虫剤、蚊帳(かや)等を使用する。
- 蚊が繁殖しやすい場所をつくらない。
- 日常生活では住居に蚊が入って来ないように気をつける。
シンガポールは国レベルで蚊の繁殖対策をしている
年間を通して高温多湿なシンガポールでは、NHA(National Health Agency:国立衛生庁)が蚊の発生数を管理し、ジカ熱やデング熱の大流行を防ぐよう対策を行っています。また、これに加えてシンガポールでは蚊の繁殖を促すような行為を行った場合には罰金対象となる事もあります。
参考文献