
マーライオン(Merlion)とは?
マーライオン(Merlion)は、シンガポールを象徴する神話上の生き物で、ライオンの頭と魚の体を持つ独特な姿が特徴です。名前は「Mer(海)」と「Lion(ライオン)」を組み合わせたもので、魚の体は海洋国家としてのシンガポールのルーツを、ライオンの頭は伝説の由来である「ライオンの街」にちなんでいます。
また、シンガポール政府観光局(STB)は1972年にマーライオンを観光のシンボルとして公式に導入しています。また、2018年にはマーライオンをモチーフにしたマスコットキャラクター「マーリー(Merli)」も広報戦略の一環でシンガポール政府観光局から誕生しています。
尚、マーライオンパークに設置されているマーライオンは、「東」を向いていて、これは「繁栄」を象徴する風水上での良い向きとされています。さらに、2002年に現在のマリーナベイ側へ移設された際にも、その向きは変えられず「東向き」となっています。
ライオンの街について
14世紀、スマトラのシュリヴィジャヤ王国の王子、サン・ニラ・ウタマは、航海の途中で「テマセク」と呼ばれていた小さな島にたどり着きました。テマセクとはマレー語で「海辺の町」を意味し、当時は交易の中継地として知られていました。
王子は島を歩き回り、その豊かな自然と戦略的な立地に強く惹かれました。そんな時、茂みの中から突然、大きな動物が姿を現しました。その姿は彼がこれまで見たことのない威厳に満ちた生き物で、黄金色のたてがみを持つライオンに似ていたと伝えられています。
この遭遇を「吉兆」と受け止めた王子は、サンスクリット語での「Singa(ライオン)」と「Pura(町)」をかけ合わせて、この土地を「シンガプーラ(Singapura)」と名付けました。
マーライオン象へのアクセス
オリジナルのマーライオン像は、マーライオンパークに設置され、シンガポールの観光スポットとなっています。また、2025年時点でシンガポールには6体の公式マーライオン像が設置されています。
マーライオンパーク(シンガポール川の河口付近) |
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Tourism Court(STB本部前) |
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Mount Faber(Mount Faberの頂上) |
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Blocks 216 to 220 at Ang Mo Kio Avenue 1(住宅団地内駐車場入り口付近) |
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シンガポール国外に設置された公式マーライオン像
マーライオン像は、シンガポール国外にも何体か存在しています。これらはシンガポールの観光プロモーションの一環として、海外の姉妹都市やイベントに設置されたものです。2025年時点では、以下の場所に公式のマーライオン像が設置されています。
中国(Suzhou Industrial Park) | 蘇州工業園区(Suzhou Industrial Park)のシノ・シンガポール・パーク内に設置されたマーライオン像です。シンガポールと中国の友好のシンボルとして建てられました。 |
インドネシア(CitraLand Gama City) | 「メダンのシンガポール」と称される住宅地の中心にマーライオン像が立っています。 |
日本(函館市) | 高さ8.6 メートルと本家とほぼ同じサイズで、水を噴き出す像として観光客にも人気です。函館市とシンガポールの交流を祝って設置されました。 |
タイ(Benjakitti Park) | クイーンシリキット・コンベンションセンター近くに、シンガポールおよび現地シンガポール系団体によってマーライオン像が設置されました。 |
韓国(ナミ島) | ナミ島内に小型のマーライオン像が設置されています。観光客のちょっとした癒しスポットとして知られています。 |