シンガポールを歩いていると赤い屋根を持った建築物をよく目にします。特に、チャイナタウンやリトルインディアなどのエスニック地区では、赤い屋根を持つショップハウスが今も多く見られ、外国人観光客の人気のスポットにもなっています。

赤い屋根の歴史

シンガポールの赤い屋根の歴史は、19世紀の英国植民地時代に遡ります。英国がシンガポールを植民地にした際、一緒にヨーロッパの建築様式が持ち込まれました。その中で、赤い粘土瓦(テラコッタ)が屋根材として使われるようになったのがシンガポールにおける赤い屋根の始まりとされています。

※ 赤い粘土瓦には日差しを反射し、屋内を涼しく保つ効果があることから、熱帯気候のシンガポールに最適な材料とされました。

現代のシンガポールにおける赤い屋根

今日のシンガポール(特にセントラル地区)には、国の急速に発展に伴い高層ビルが立ち並んでいます。一方で、赤い屋根を持つ建築物は国の歴史と文化の象徴として認識されてきています。シンガポール政府も赤い屋根を含む歴史的建造物を保護/保存する為に、保全に関するガイドライン等を設け、これらの建造物が都市開発の中で失われないよう、厳しい規制の下で管理をしています。

まとめ

赤い屋根は、異なる文化が共存するシンガポールのアイデンティティの一部とも言えます。赤い屋根というユニークな景観は、シンガポールを訪れる人々に強い印象を与え、また地元民にとっても自国を代表する文化的要素の一つとなっています。