シンガポールは熱帯気候を持つ常夏の国です。また同時に、地理的な理由からシンガポールは紫外線(UV)の影響を受けやすい国でもあります。強い紫外線は、肌へのダメージとなるだけでなく、皮膚がん等のリスクを高める要因にもなります。このページでは、シンガポールに関する基本知識として、紫外線(UV)についてまとめています。

シンガポールにおける紫外線の基本情報

紫外線の種類

紫外線には、UVAとUVBの2種類があります。

紫外線の種類 波長 身体への影響
UVA 320-400nm 皮膚の奥深くまで届き、肌の老化を促進する原因となる事で知られています。
UVB 280-320nm 肌の表面に作用し、日焼けや皮膚がんのリスクを高めることが知られています。

紫外線の種類は世界共通です。ただし、シンガポールでは年間を通してこれらの紫外線が強力であるため、日常的に対策を取ることが推奨されています。

シンガポールと日本における紫外線量の違い

2011年から2017年までのシンガポールにおける最高紫外線量の平均(写真はNEAに掲載されているもの)

シンガポールと日本では、地理的な位置と気候の違いによって紫外線の量に大きな差があります。

シンガポールは、赤道に近い熱帯気候である事から年間を通じて日照時間(UV指数の高い状態)が長く続きます。また、日中のUV指数は「高い(6~7)」から「非常に高い(11以上)」の範囲を上下します。

一方、日本は温帯に位置する国で、四季の変化に伴って紫外線量にも変動が起こります。春から夏(特に5月から8月)にかけて紫外線量が増加し、多くの地域でUV指数が「高い」(特に夏は「非常に高い」)まで達します。秋に入ると徐々に紫外線量は減少し、冬は比較的低いレベル(冬でも雪山など特定の環境下では反射により紫外線量が増加する事もある)になります。

UV指数とは?

UV指数とは、太陽からの紫外線(UV)放射の強さを示す指標です。UV指数は0から11+までの5段階で表され、数値が高いほど紫外線の強さが強く、日焼けや皮膚へのダメージのリスクが高まります。

UV指数 危険度
UV指数が0~2 低リスク
UV指数が3~5 中リスク
UV指数が6~7 高リスク
UV指数が8~10 非常に高いリスク
UV指数が11以上 極端に高いリスク

紫外線対策としては、高いUV指数の日には日焼け止めを使用する、帽子や長袖の服を着る、直射日光を避けるなどの対策が推奨されます。

紫外線対策の基本は同じ

シンガポールと日本における紫外線への対策方法は基本的には同じとなります。

日焼け止めの使用 SPF30以上で、UVAとUVBの両方をブロックできる日焼け止めを選び、外出する30分前に塗ります。また、外出時は2~3時間おきに塗りなおします。
UV対応の服装 帽子、サングラス、長袖の服、UVカット加工された服を着用します。

シンガポールでの紫外線対策は習慣づけが大切

常夏の国であるシンガポールでは一年を通して強い紫外線量が続きます。その為、日焼け止めや長袖などの一時的な対策に加えて、習慣的な対策を行う事がより効果的とされています。

  • 紫外線が最も強い時間帯の外出を控える。
  • 毎日行う日中の移動時に、できる限り日影や地下を通れるように導線をつくる。

また、シンガポール政府(NEA)がUV指数に関する情報提供をしています。外出時の紫外線量が気になる方は参考にしてみてもいいでしょう。

NEAの公式ウェブサイト:NEA | Ultraviolet Index

まとめ

紫外線は目に見えず身体への影響を実感できないものではあるのですが、身体への悪影響が報告されている事も事実ですので、できる範囲で対策をしておく事が推奨されています。また、紫外線と共に生活をしなければいけないシンガポールにおいては「紫外線の為に何か対策をする」という考え方よりも、そもそも紫外線を受けにくい生活サイクルを作ってしまう事がより効果的かもしれません。