シンガポールは、その教育システムで世界的に評価をされている国でもあります。シンガポールの教育体系では、国際基準に沿ったカリキュラムや早期からの学力試験の実施などを始め、各生徒の能力に合わせた様々な選択肢が準備されています。

そんなシンガポール教育を代表するシステムの1つがNレベル、Oレベル、Aレベルとなります。

Nレベル(Normal Level)

Nレベルは、シンガポールの中等教育課程の4年目に位置づけられる評価試験で、PSLEの結果でNormal (Academic) または Normal (Technical) へと進んだ生徒を対象に実施されます。Nレベルを取得することで、各生徒はポリテクニックやInstitute of Technical Education(ITE)への進学、もしくはOレベルへ向けた学習の開始へと進路を進めていきます。

Nレベルの試験で不合格となった場合

Nレベルの試験に落ちた場合には、下記のような選択肢が一般的となります。

  • 再試験の出願: 特定科目の再試験が可能です。ただし、これは学校の方針や教師の推薦によって変化するようです。
  • ITEへの進学: 技術教育機関(ITE)への入学を検討する。

Oレベル(Ordinary Level)

Oレベルは、Nレベルより1つ高いレベルでの評価試験(中等教育課程)で、PSLEの結果でExpressまたはNormal (Academic) へと進んだ生徒を対象に実施されます。Oレベルの取得試験は、生徒により試験のタイミングが微妙に異なり、Expressコースの生徒であれば中等教育課程の4年目、Normal (Academic) コースの生徒であればNレベルを取得した生徒(一部)に限り中等教育課程の5年目に行われます。

Oレベルの取得後は、Oレベル試験での成績に合わせてジュニアカレッジやポリテクニックなどの教育機関へ進路を進めるのが一般的です。

Oレベルの試験で不合格となった場合

Oレベルの試験に落ちた場合には、下記のような選択肢が一般的となります。

  • 再試験: 学校が許可する場合は再受験することができます。学校との関わりが無い状態でOレベルの再受験を行う場合は、私立受験生として受験を行います。
  • ITEコース: 技術教育機関(ITE)への入学を検討する。
  • ポリテクニック基礎プログラム(PFP): O(レベル)の一部の科目で合格点を取ったが、ジュニアカレッジやポリテクニックへの進学が認められない学生は、ポリテクニック基礎プログラムへの申し込みが選択肢の一つとして上げられます。PFPは1年間のプログラムで、特定のポリテクニックへの入学に向けた準備をします。

Aレベル(Advanced Level)

Aレベルは、Oレベルよりも更にレベルの高い評価試験(高等教育課程)で、一般的にはジュニアカレッジまたはCentralised Instituteでの2年間の課程を終えた生徒が受験します。また、Aレベルは、シンガポール国内外の大学への入学申請においても重要な資格として扱われる事もあります。

Aレベル取得後は、殆どの学生が大学へと進路を進めます。Aレベルの成績に大学側から受けられる評価も異なり、それに合わせて国内外での大学選びを行っていきます。また、好成績でAレベルを通過した学生へは奨学金が発生する事もあるようです。

Aレベルの試験で不合格となった場合

Aレベルの試験に落ちた場合には、下記のような選択肢が一般的となります。

  • 再試験: 試験を再受験。特に地元や海外大学への入学を目指す学生向けの選択肢です。
  • 代替パスウェイの検討: 学生の興味や目標に応じて、ポリテクニックや私立大学の検討をする。

まとめ

Nレベル、Oレベル、Aレベルの取得は、生徒たちの教育課程における進路だけでなく、将来のキャリアにも影響を与える事となります。また、NレベルからAレベルまでの各段階では、各学生が自身の能力と関心に合わせた進路が選択できるようにデザインされていて、この点がシンガポールの教育システムが国際的に高く評価されている理由の一つにもなっています。