
卒業生ネットワーク(Alumni Network)とは?
卒業生ネットワーク(Alumni Network)とは、学校や専門機関などの教育機関を修了した人々を対象とするコミュニティー / ネットワークです。シンガポールでは、この卒業生ネットワークが社会的に重要視されていて、学びの場やキャリア形成、将来の子供(息子や娘)の進路決定など、様々なタイミングで関わりを持つ事があります。
シンガポールにおける卒業生(Alumni)の位置づけ
シンガポールでは、各教育機関での「卒業生(Alumni)」という肩書きによって一定のベネフィットが得られる社会構造となっています。
シンガポールでの卒業生は単なる「元学生」ではなく、学校や大学と継続的に関わる存在として重視されています。その為、多くの教育機関では卒業後の学生向けに卒業生オフィス(Alumn Office)を設置し、卒業生とのネットワーク作りが行われています。
▪️卒業生が得られるベネフィットの例
シンガポールの教育機関では、卒業生に向けて以下のようなサービスが提供されています。
- 図書館やキャリアセンターの利用
- 卒業生向けのトレーニング講座
- ネットワーキングイベント
- 卒業生のチャットグループ
- 子供の同校入学への優遇対応など
大学によっては、卒業後10年以上経っていてもこれらのサービスを無料または割引価格で利用できるケースもあり、またサービスの中には外国籍の卒業生でも利用できるものもあります。
子供への影響
シンガポールが持つ卒業生ネットワーク文化の中で特に独特なのが「Primary School入学への優遇枠」です。特に伝統校や人気校では、卒業生の子供が優先的に受け入れられる制度(Alumni Priority)が設けられている事が多くなります。
また、学校行事や寄付活動においても、卒業生でえる親が関わることで、子供の学校生活に好影響を与えるケースも少なくありません。
賛否両論もある
卒業生ネットワークには、人脈づくりやコミュニティ意識の形成などの利点がある一方で、特定の卒業生に優遇措置が与えられることで公平性に疑問が持たれることもあります。特に子供の学校における優先枠(Alumni Priority)については「特定の親のステータスが、子共(他の子供への影響も含め)の進路に影響するのは良くない」といった声もあり、賛否両論の対象になっています。
また、寄付やイベント参加など暗黙の期待が卒業生にかかる事もあり、制度の恩恵を受けづらい人にとっては負担や疎外感を覚えるケースもあると言われる事もあります。