シンガポールで祝われる伝統行事の一つにディーパバリ(英:Deepavali、別名:Dewali)があります。ディーパバリはヒンズー教の人々の間でのお祝い行事ですが、シンガポールではヒンズー教以外の人々や観光客の人々にも楽しまれる伝統行事となっています。

ディーパバリとは?

ディーパバリは、ヒンズー教にとっての新年のお祝いにあたる行事です。シンガポールでディーパバリの日は祝日となっていて、10月か11月頃にお祝いが行われます。(日程はヒンズー教の暦によって決まります。)

ディーパバリは、悪に対する善の勝利を祝福する意味を持つお祭りで「光の祭り」としても知られています。

ディーパバリとディワリについて

インド北部ではディーパバリを「ディワリ」と呼ぶ地域があります。また、ディーパバリはサンスクリット語での名称で、ディワリはヒンズー語での呼び方となります。

ディーパバリとディワリは同じ祭日を指していて、表現の使い分けは地域によって異なります。シンガポールを含む東南アジアではディーパバリがより一般的に使用されています。

リトルインディアがデコレーションされる

シンガポールでは、ディーパバリの期間中リトルインディア(英:Little India)がイルミネーションで彩られます。装飾以外でも、パレードやコンサート、イベント、民族衣装やランプの屋台、ヘナアートなど、リトル・インディア全体がお祭りムードとなります。

また、ディーパバリのイルミネーションには孔雀がよく登場します。これはヒンズー教において孔雀が「勝利・愛・知恵」の象徴とされているからだそうです。

ディーパバリの起源

ディーパバリには起源とされている話がいくつか存在します。このページでは、北インドと南インドの間で話されている昔話について記載します。

北インドで話されるディーパバリの起源

北インドでは、インドの叙事詩「ラーマーヤナ」の神話と結びついています。この神話はアユタヤ王朝のラーマ卿の物語で、物語の中でラーマ卿は王位継承権を奪われ、14年間森に追放されます。その後、ラーマ卿は悪魔ラーヴァナを倒し、妻のシータと弟のラクシュマーナを連れて王座を取り返します。ラーマ卿の勝利を祝う為に花火を上げたり、家を粘土製のランプで飾りました。

南インドで話されるディーパバリの起源

南インドでのディーパバリは、クリシュナ卿に結びつけられます。この神話では、残酷な魔王ナラカ(別名ナラカスラ)が民衆の間に恐怖をもたらしていました。人々はクリシュナ卿に助けを求めて祈り、クリシュナ卿は、ナラカを倒すことで祈りに応えました。この物語が元となり、ディーパバリは、悪魔が殺された日を記念して、ナラカ・チャトゥルダシ(ナラカの14日目)とも呼ばれています。