ラマダン(英:Ramadan)とはイスラム教徒の方々が毎年行う約1ヶ月にもおよぶ断食(月)の事で、ムスリムが主要民族の1つであるシンガポールに住んでいると毎年耳にする行事です。
ラマダンはイスラム暦(ビジュラ暦や太陰暦とも呼ばれる)をベースに期間が決定します。このイスラム暦が一年を354日とするため、ハリラヤ・プアサの日程は毎年10日から11日ずつ早くなっていきます。
ラマダンでは断食が行われる
ラマダンの期間中、イスラム教徒の方々は日の出から日没までの間の食事を取らずに生活を行います。ラマダンが行われる背景には「欲の戒め」や「神への献身」があり、食事以外にも性行為や喧嘩といった行為を一時的に止めたり、コーラン(アラビア語で書かれたイスラム教の根本聖典)の読み直し等が行われます。また、食事が取れるのは日が沈んでから翌日の日の出までと決められていますが、小さな子供や高齢者に加え断食によって健康に影響が出る可能性のある病人、妊婦、授乳中の女性等には例外が認められています。
ラマダンの期間中は、日の入り時刻を過ぎると飲食店が賑わいだします。また、ラマダン・バザーと呼ばれる食品・食事を提供するお店や屋台が立ち、様々なマレー料理が販売されます。
ラマダン中に社員に呼びかけをする企業もある
シンガポールの企業の中には、ラマダンの期間中に社内での飲食を控えるように呼びかける企業もあります。各民族間のバランスを大切にするシンガポールならでこそ体験できる習慣かもしれません。
ラマダンの後には「ハリラヤ・プアサ」
約1ヶ月に及ぶラマダン(断食)の後に待っているのが「ハリラヤ・プアサ」です。ハリラヤ・プアサは断食の終わりを祝う日で、シンガポールでは祝日にもなっています。イスラム教徒の方にとって最も盛大に行う行事の1つで、ラマダンの半ばにある「アル・クルーン(預言者ムハンマドにコーランが啓示された大切な日)」を過ぎた頃からお祝いムードが高まっていきます。