COMPASS (Complementarity Assessment Framework) とは、EP申請者を下記の6項目(基礎基準4項目とボーナス基準2項目に分かれる)から審査する為の評価制度です。

各項目における期待値に対する達成度に応じてポイントが付与される仕組みとなっていて、付与されたポイントの合計値が40ポイント以上とならなければEPの取得ができません。

※あくまでEPの承認はシンガポール労働省の判断となります。

COMPASSでのポイントについて

前項で書いたように、COMPASSでは「基礎基準4項目」と「ボーナス基準2項目」から評価が行われます。

基礎基準の各項目では期待値に対する達成度に応じて、20、10、0ポイントのいずれかが付与されます。

一方のボーナス基準では、スキルボーナスに該当する場合は20ポイント、戦略的経済優先ボーナスに該当する場合は10ポイントが付与されます。

ただし、ボーナス基準についてはその名の通り、特定の条件を満たした方に付与されるポイントとなりますので、申請者の多くは基礎基準のみで40ポイントを目指します。

COMPASSのポイントについて
基礎基準
個人に関する基準 C1:給与 ローカルPMETの給与水準との比較 0~20ポイント
個人に関する基準 C2:学歴 申請者の学歴 0~20ポイント
企業に関する基準 C3:国籍多様性 スポンサー企業の社員に多様性があるか 0~20ポイント
企業に関する基準 C4:ローカル雇用の促進 同業他社とのローカルPMET比較 0~20ポイント
ボーナス基準
個人に関する基準 C5: スキルボーナス(人材不足職種リスト) 申請者の専門エリアが人材不足の職種に該当するか 20ポイント
企業に関する基準 C6:戦略的経済優先ボーナス イノベーション又は国際文化活動で政府との連携を取っているか 10ポイント

「COMPASS」の免除

申請者が以下の条件のいずれかを満たす場合COMPASSの適用を免除とする事ができます。

  • 月収22,500シンガポールドル以上の固定給がある方
  • Intra Corporate Transferee (ICT)として申請する方
  • 職務期間が短期間(1ヶ月以内)の方

最後に

もともとシンガポールでは就労ビザに対する規制が強化が続いていましたが、COMPASSの導入により、EPの取得難易度が更に高くなりました。また、COMPASS以外にも専門業者を利用した人材のバックグラウンドチェックが義務となっており、申請時のコストも高くなっています。特に小規模事業者は中間層の外国人人材の獲得が難しくなり、現地人材の採用へシフトしなければならない状況となっています。

COMPASSに関する更なる詳細は「シンガポール労働省のウェブサイト」もしくは「COMPASSガイドブック」をご覧下さい。