シンガポールでなかなか読めない名前まとめ

シンガポールでは、アルファベットで書かれているのに「どう読めばいいのか分からない名前」をよく見かけます。英語の読み方とも日本語の読み方とも一致しないため、初めて見ると戸惑うことも少なくありません。

今回、シンガポールに住んでいて「日本人が読みにくい」と感じる名字をいくつか集めてみました。

シンガポールには読みにくい名前が多い

英語が共用語となるシンガポールでは、多くの人がアルファベット表記の名前を使っています。ただ、その読み方(発音)は必ずしも英語の発音ルールとは一致せず、読み方が想像しにくい場合が多々あります。

これには、共用語が英語でありながら、姓名の形式が中国語・マレー語・インド系言語など、各民族の母語ベースで行われているという、多民族国家ならではの文化背景があります。

読めない名前の代表例と読み方

実際にシンガポールでよく見かける「読めそうで読めない名前」をいくつか紹介します。見たことはあるのに、正しく読めない名前も多いかもしれません。

※ 発音は家系や個人によって多少異なるため、ここでは実際の音に近い「目安の読み方」で紹介します。

中華系の名前

1. Ng

  • カタカナ読み:ン
  • 発音ベースで英語表記:singの最後の「ng」
  • 日本人にありがちな読み間違え:ング

2. Teo

  • カタカナ読み:ティオ
  • 発音ベースで英語表記:Tio
  • 日本人にありがちな読み間違え:テオ

3. Yeo

  • カタカナ読み:ヨー(短く「ヨ」寄り)
  • 発音ベースで英語表記:Yo
  • 日本人にありがちな読み間違え:イェオ / イオ

4. Cheong

  • カタカナ読み:チョン
  • 発音ベースで英語表記:「Chong」に近い
  • 日本人にありがちな読み間違え:チーオン / チェオン

5. Seow

  • カタカナ読み:シオ
  • 発音ベースで英語表記:Sio
  • 日本人にありがちな読み間違え:シーオウ / ショー

6. Ooi

  • カタカナ読み:ウイ
  • 発音ベースで英語表記:「ooey」に近い
  • 日本人にありがちな読み間違え:オーイ

7. Lye

  • カタカナ読み:ライ
  • 発音ベースで英語表記:「lie」と同じ
  • 日本人にありがちな読み間違え:リー

8. Png

  • カタカナ読み:プン(母音ほぼ聞こえない短音)
  • 発音ベースで英語表記:「png」を一息で
  • 日本人にありがちな読み間違え:ピング

9. Gwee

  • カタカナ読み:グイ
  • 発音ベースで英語表記:gwee(そのまま)
  • 日本人にありがちな読み間違え:グウィー

10. Oei

  • カタカナ読み:ウィ
  • 発音ベースで英語表記:wee と同じ
  • 日本人にありがちな読み間違え:オエイ / オイ

マレー系の名前

11. Muhammad / Mohd

  • カタカナ読み:ムハメッド
  • 発音ベースで英語表記:moo-hah-mad
  • 日本人にありがちな読み間違え:モハメド

12. Ahmad

  • カタカナ読み:アフマド(会話では「アマド」に聞こえることも)
  • 発音ベースで英語表記:ah-mad
  • 日本人にありがちな読み間違え:アホマッド

13. Abdul

  • カタカナ読み:アブドゥル
  • 発音ベースで英語表記:ab-dul
  • 日本人にありがちな読み間違え:アブダル

14. Rahman

  • カタカナ読み:ラフマン
  • 発音ベースで英語表記:rah-man
  • 日本人にありがちな読み間違え:ラーマン

15. Hassan

  • カタカナ読み:ハッサン
  • 発音ベースで英語表記:hass-an
  • 日本人にありがちな読み間違え:ハサーン

16. Ismail

  • カタカナ読み:イスマイル
  • 発音ベースで英語表記:is-mail
  • 日本人にありがちな読み間違え:イズメイル

17. Yusof

  • カタカナ読み:ユソフ
  • 発音ベースで英語表記:you-sof
  • 日本人にありがちな読み間違え:ユーソフ

18. Zainal

  • カタカナ読み:ザイナル
  • 発音ベースで英語表記:zai-nal
  • 日本人にありがちな読み間違え:ゼイナル

19. Syed

  • カタカナ読み:サイードまたはサイッド
  • 発音ベースで英語表記:sai-id
  • 日本人にありがちな読み間違え:シード

20. Shah

  • カタカナ読み:シャー
  • 発音ベースで英語表記:shah(そのまま)
  • 日本人にありがちな読み間違え:シャハ

インド系の名前

21. Subramaniam

  • カタカナ読み:スブラマニアム
  • 発音ベースで英語表記:soo-bra-ma-niam
  • 日本人にありがちな読み間違え:サブ・ラマニアム

22. Rajendran

  • カタカナ読み:ラジェンドラン
  • 発音ベースで英語表記:ra-jen-dran
  • 日本人にありがちな読み間違え:レイジェンドラン

23. Krishnan

  • カタカナ読み:クリシュナン
  • 発音ベースで英語表記:krish-nan
  • 日本人にありがちな読み間違え:クリシャナン

24. Balakrishnan

  • カタカナ読み:バラクリシュナン
  • 発音ベースで英語表記:bala-krish-nan
  • 日本人にありがちな読み間違え:バラク・リシャナン

25. Sivakumar

  • カタカナ読み:シヴァクマール
  • 発音ベースで英語表記:see-va-koo-mar
  • 日本人にありがちな読み間違え:シバクマー

26. Ramasamy

  • カタカナ読み:ラマサミー
  • 発音ベースで英語表記:ra-ma-sa-mee
  • 日本人にありがちな読み間違え:ラマセイミー

27. Muthusamy

  • カタカナ読み:ムトゥサミー
  • 発音ベースで英語表記:moo-tu-sa-mee
  • 日本人にありがちな読み間違え:ミュスサミー

28. Thangavelu

  • カタカナ読み:タンガヴェルー
  • 発音ベースで英語表記:tan-ga-velu
  • 日本人にありがちな読み間違え:サンガヴェル

29. Velayutham

  • カタカナ読み:ヴェラユータム
  • 発音ベースで英語表記:ve-la-yu-tham
  • 日本人にありがちな読み間違え:ベレイユタム

30. Nadarajah

  • カタカナ読み:ナダラジャ
  • 発音ベースで英語表記:na-da-ra-ja
  • 日本人にありがちな読み間違え:ナダラジャー

民族別の特徴

シンガポールの名前は民族ごとに、アルファベット表記と発音のズレ方に特徴があります。読み方のパターンを知っておくと、名前を見たときに発音を想像しやすくなりますので、参考にしてみて下さい。

中国系の名字

中国系の名字は、福建語や潮州語の発音がもとになっていることが多くなります。

【覚えておきたい発音の傾向】

  • 英語の発音ルールよりも「その綴りをどう読む慣習か」が優先されることが多い。(例:Teo → ティオ / Yeo → ヨー / Seow → シオ)
  • 子音だけに近い発音や、語尾が -ng で終わる名字が多い(例:Ng → ン / Png → プン / Cheong → チョン / Ong → オン)
  • 同じ綴りでも家系・方言ルーツで発音が揺れることがある(例:Teo → ティオ又はテオ)

また、中国語の発音をアルファベットで表記するピンイン(Pinyin) を使った名前の表記も増えています。以下は、その名前の例です。

  • Xinyi(シンイー)
  • Qingwen(チンウェン)
  • Zhiyong(ジーヨン)

これらは中国語の発音に基づいた表記のため、英語の読み方とも日本語のローマ字とも少し違う読み方になります。

マレー系の名前

マレー系の名前は、日本語のローマ字読み(母音をはっきり読む読み方)に近い発音になることが多い傾向があります。

【覚えておきたい発音の傾向】

  • 英語読みというより、日本語のローマ字読み(母音をはっきり読む感覚)に近い(例:Ahmad → アフマド / Yusof → ユソフ)
  • 子音+母音が素直に連なることが多く、綴りから発音を想像しやすい(例:Rahman → ラフマン / Hassan → ハッサン)
  • 英語のように母音が弱くならず、母音をはっきり発音する傾向がある(例:Ismail → イスマイル)

インド系の名前

インド系の名前は、シンガポールではタミル語など南インド系の言語がもとになっていることが多く、日本語や英語にはない発音が含まれることがあります。

【覚えておきたい発音の傾向】

  • 長い名前は、2〜3音節ごとに区切ると発音しやすい(例:Subramaniam → スブ・ラマ・ニアム)
  • 「th」は英語の「θ音」ではなく「タ / ト」に近く発音されることが多い(例:Thangavelu → タンガヴェル)
  • 「-am / -an / -ar」で終わる名前が多い(例:Rajendran / Krishnan / Subramaniam)
  • 長い名前は、ローカルでも短縮して呼ぶことが多い(例:Subramaniam → Subra / Balakrishnan → Bala)

【補足】シンガポールの名前の構造

補足となりますが、シンガポールで見られる名前は、民族ごとに構造が異なる場合も多々あります。

■ 中国系の名前の構造と例

中国系の名前は、多くの場合「姓+名」で構成されていて、基本的には日本人と同じです。ただし、英語の運用(名刺・メール・公的書類の表記)では「名+姓」の順で書かれることも多く、順番は混在しがちです。

  • Tan Ah Kow(Tan = 姓、Ah Kow = 名)
  • Lim Wei Ming(Lim = 姓、Wei Ming = 名)
  • Ng Kai Jie(Ng = 姓、Kai Jie = 名)

■ マレー系の名前の構造と例

マレー系の名前は、少し構造が異なり「個人名+(bin/binti)+父名」で構成されています。多くの場合、固定された姓を持たず、父親の名前をもとにした父名制が使われます。このため、日本人のように家族全体で共通する名前(姓)を持っているとは限りません。

※ bin / binti が省略されて、見た目は「個人名+父名」になることもあります。
※ bin = 息子、binti = 娘

  • Ahmad bin Rahman(Ahmad = 個人名、Rahman = 父名)
  • Nur Aisyah binti Salleh(Nur Aisyah= 個人名、Salleh = 父名)
  • Mohd Hafiz bin Ismail(Mohd Hafiz = 個人名、Ismail = 父名)

■ インド系の名前の構造と例

インド系の名前も、南インド系の文化では父名制が使われることがあります。父名制の要素が入るうえ、表記の省略・並べ方が人によって違うため、名前が長くなることもあります。

※「父名(頭文字)+名」 / 「名+父名」など(表記は複数パターン)

  • S. Rajendran(S = 父名頭文字+個人名)
  • Ramasamy Krishnan(Ramasamy = 父名、Krishnan = 個人名)
  • Muthusamy Subramaniam(Muthusamy = 父名、Subramaniam = 個人名)

このように、シンガポールでは民族ごとに名前の構造が異なります。日本の名字の感覚とは少し違うため、最初は戸惑うこともあるかもしれません。

シンガポールの名前の面白いところ

シンガポールでは、アルファベット表記の名前でも英語とはまったく違う発音になることがよくあります。最初は読みにくく感じるかもしれませんが、慣れてくると名前から中国方言の影響や民族背景が見えてくることもあります。街で見かける名前も、少し違った視点で見えてくるかもしれません。

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