S Passは、シンガポールで就労を行う外国人労働者向けに発行される労働許可証(就労ビザ)で、主に一般職や管理職、専門職、技能職に就く外国人を対象としています。また、シンガポールでの就労を希望する日本人にとっては、このS Passとエンプロイメントパス(Employment Pass)が最も一般的に申請される労働許可証となっています。
■ S Passの申請・取得には以下の条件があります。
- 雇用主となる企業がS Passの申請可能枠を持っている必要がある
- 月額給与が3,650シンガポールドル以上である必要がある(金融サービス領域においては、月額給与が5,500シンガポールドル以上)。
※ S Passを申請する人材の年齢が上がる(23歳から45歳にかけて)につれ、最低月額給与額も3,650シンガポールドルから4,650シンガポールドルまで上昇する(金融サービス領域においては、5,650シンガポールドルまで上昇)。
※ 月額給与額が6,000シンガポールドル以上のS Pass保持者は配偶者パス(Dependant Pass)の申請ができる。
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S Pass申請の流れ
以下、S Pass申請の流れとなります。
- S Pass枠の残数確認
- S Pass申請をする人材の最低給与額の確認
- MCFへの求人掲載(最低14日間)
- S Passの申請~承認(やく10営業日)
- In-principle approval(IPA)への署名
- 健康診断(MOMより指示があれば)
- S Passの発行手続き
- ICカードの発行と受け取り
S Pass枠の残数確認
S Passの申請は雇用主となる企業が行いますが、企業がS Pass枠を持っていない場合はS Passの申請を行う事ができません。尚、このS Pass枠の残数はMOMのEサービスである「Work Pass Online」で確認する事ができます。
S Pass申請をする人材の最低給与額の確認
S Pass申請では、申請者の学歴・職歴に合わせてMOMが最低必要給与額の設定を行います。この最低必要給与額を下回る給与ではS Passの申請へ承認が下りませんので、事前にSelf-Assesment Toolを使用して最低必要給与額の確認をしておきます。
MCFへの求人掲載(最低14日間)
外国人人材へS Passを申請するにあたり、雇用主(一部例外有り)は募集求人を最低14日間MyCareerFuture(MCF)に掲載する必要があります。これはシンガポール政府が掲げるFCF(Fair Consideration Framework)による外国人採用におけるルールとして定められています。
S Passの申請~承認(約10営業日)
S Passの申請は「Work Permit Online」から行います。必要書類(スキャンコピー)は以下となります。
- 最高学歴を証明する為の卒業証明書(英文)
- パスポート
- S Passアプリケーションフォーム
S Pass申請における審査期間は約2週間となります。ただし、申請者数や時期的な要因で審査に通常以上の時間が掛かる事もあります。
In-principle approval(IPA)への署名
申請内容への承認が下りると、MOMよりIn-principle approval(IPA)がEメールで送られてきます。S Passの正式な発行を行う為に、In-principle approval内で必要事項に対する申告を行います。
健康診断(MOMより指示があれば)
MOMより健康診断の指示が出た場合に行う必要があります。健康診断が必要かどうかについてはIPA内に記載されています。尚、健康診断を受ける場所は、シンガポール国内の医療機関であれば指定はありません。
S Passの発行手続き
MOMオフィスにてS Passの発行手続きを行います。この手続きを行った日より申請者はS Pass所持者として登録される事となります。また、発行されるICカードの送付先も、この時に指定します。
※ 業務が開始できるのも、S Passの発行手続きを行った日にち以降となります。
ICカードの発行と受け取り
ICカードが指定のオフィスに届き、申請者に渡されます。このICカードはシンガポール国内での身分証明書となります。