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シンガポールでは、公営図書館の整備に力を入れています。特に近年では、スマートフォンで書籍を借りられるモバイルアプリ「NLB Mobile」や、図書館を起点とした学習支援サービス「LearnX」など、テクノロジーを使った利便性の向上も進んできています。
今回は、そんなシンガポールの図書館についてまとめ記事を作りました。
コンテンツ
シンガポールの図書館について
シンガポールは、国内の様々な場所に公営図書館を設置しています。また、シンガポールの公営図書館は次の3つに分かれています。
種類 | 場所 | 簡単な概要 |
National Library | National Library / Lee Kong Chian Reference Library | シンガポールの国家図書館です。専門的な調査・研究に対応する資料を多く所蔵し、国の知的遺産を保存・公開している場所でもあります。国内外の研究者向けの閲覧室やアーカイブ施設も整備されています。 |
Regional Library |
|
複数地域を対象にして設置される中核図書館です。学習・研究スペース、イベント会場、ICTラボ等があります。 |
Public Library | 上記以外の全ての図書館 | ショッピングモール内などに設置される図書館です。アクセスが良く、児童書や日常書籍が中心に置かれています。 |
これらの図書館はすべてNLB(National Library Board)の管轄となり、NLBへのアカウント登録をする事で利用が可能になります。
図書館の場所について:https://www.nlb.gov.sg/main/visit-us/our-libraries-and-locations
NLBについて
NLB(National Library Board)は、1995年に設立された政府機関で、主に図書館政策を推進しています。NLBでは、デジタル化、地域密着、教育連携を政策の軸として掲げていて、シンガポールに住む全ての人が図書館を利用しやすくなる環境を目指しています。
図書館で利用できるサービス
コンテンツの借り出し
シンガポールの図書館では、様々なコンテンツの借り出しができます。紙媒体の書籍以外にも、電子書籍やオーディオブックなどのデジタルコンテンツの貸し出しも行われています。
施設の利用やワークショップ
一部の図書館では、学習スペース、デジタルラボ、子供向けワークショップ、高齢者向けのデジタル講座など、様々なサービスが無料で提供されています。
NLB Mobile
図書館専用のモバイルアプリです。NLB Monileには以下のような機能が付いていて、オンラインで書籍の確認や予約ができるようになっいます。
- スキャン機能(スマホで書籍が借りられる)
- 書籍の検索機能(書籍がたる図書館や本棚の情報も見れる)
- 書籍の事前予約(有料)
- 書籍の配達(有料)
- 借り出し期間の延長
- 書籍のお気に入り登録
- 過去の借り出し履歴
- 延滞料金の支払い
尚、書籍の事前予約や延滞料金の支払いも、NLBのモバイルアプリ経由で行えるようになっています。
公式ウェブサイト:https://www.nlb.gov.sg/main/services/faqs/NLB-Mobile
LearnX
LearnXは、NLBが提供する総合学習プラットフォームです。「何を」「いつ」「どのように学ぶか」を利用者自身がカスタマイズできる学習サービスで、多様なテーマに沿った教材やプログラムが用意されています。デジタルコンテンツやワークショップやスピーチ、セミナー、展示会など体験型のイベント(一部は外部ベンダーと連携を取っている)も揃っています。また、プログラムの中には無料で提供されているものや子供向けの内容もあります。
公式ウェブサイト:https://www.nlb.gov.sg/main/site/learnx
NLBアカウントの作成方法(図書カードと登録方法)
図書館を含むNLBのサービスを利用するには、NLBアカウントの作成が必要となります。またNLBアカウントの登録は、外国籍であってもFINナンバーもしくはSingpassがあれば可能です。
■ NLBアカウントの作成:
■ メンバーシップの種類と費用について:
https://www.nlb.gov.sg/main/services/library-membership/types-of-membership
NLBアカウントはシンガポール国籍を持っている方を除いて「有料」となります。ただし、シンガポール教育省(MOE)管轄の学校(小学校、中学校、ジュニアカレッジ、ITE〈工業教育学院〉、ポリテクニック)に在籍している外国人学生は、NLBのアカウントを無料で開設できます。登録時点で21歳未満であることが条件であり、MOE発行のスマートカードを提示することで、職員が登録手続きをサポートします。
また、登録後のNLBアカウントの管理は、NLBのウェブサイトから確認できるようになっています。
最後に
シンガポールの図書館は、単なる本の貸し出しにとどまらず、学習、情報収集、地域交流の拠点としても機能しています。特にNLBが提供するアプリやプログラムは、テクノロジーと教育の融合を実感できる仕組みとして注目されています。外国人であっても条件を満たせば利用可能ですので、シンガポールでの生活をより豊かにする手段として、図書館を上手に活用してみてはいかがでしょうか。