
旧正月(Chinese New Year)とは?
旧正月(Chinese New Year)は、中国や東南アジアを中心に祝われる中華系の伝統的な新年行事で、別名「春節」や「Lunar New Year」とも呼ばれています。旧正月の時期は、太陽太陰暦(旧暦)に基づいていて、通常1月下旬から2月中旬の間に祝われます。家族での再会や新年の幸福を願うための期間として、特に中華系の方々の間で祝われます。
旧正月は通常16日間の祝祭期間とされていて、この間に新年を迎えるための準備、新年の祝祭、旧正月に関連する休暇やイベントなどが行われます。尚、シンガポールでの旧正月は「国民の祝日」とされています。
伝統的な風習と行事
旧正月には、新年を縁起よく迎える為のさまざまな伝統的風習があります。なかでも代表的なのが「アンパオ(Ang Bao)」と呼ばれる赤い封筒にお金を入れて贈る習慣です。これは既婚者が未婚の親族や子どもたちに渡すのが一般的で、封筒の赤色には「厄を払う」や「幸福をもたらす」といった意味が込められています。受け取る側は両手で受け取り、「恭喜發財(ゴンシーファーツァイ/繁栄をお祈りします)」などの祝福の言葉を伝えるのが礼儀とされています。
また、縁起の良い言葉を交わすのも重要な風習のひとつで、年始の挨拶では、健康・成功・家庭円満などを願う言葉が飛び交います。さらに、旧正月期間中は「獅子舞(ライオンダンス)」や「龍の舞(ドラゴンダンス)」といったパフォーマンスが各地で披露されます。これらは太鼓やシンバルなどの賑やかな音楽に合わせて演じられ、邪気を追い払い、繁栄や幸運を呼び込むと信じられています。
よく見られる食文化と料理
旧正月の食卓には、火鍋や餅、バクワ、パイナップルタルトなど縁起の良い食材を使った料理が並びます。中でもパイナップルは「招財進宝(財を招く)」という意味を持ち、家庭やオフィスでよく目にするかと思います。また、シンガポールでは「ユーシェン(Yusheng)」というサラダを囲みながら、皆で具材を高く持ち上げて混ぜる「ローヘイ(Lo Hei)」を行う文化があり、会社や家族で行う新年の食事会で登場します。
街中の雰囲気と行事ごと
旧正月が近づくと、チャイナタウンをはじめとする各地で赤や金を基調とした装飾が施され、華やかな雰囲気が広がります。ショッピングモールや公共施設では旧正月用のBGMが流れ、ナイトマーケットやライトアップなどのイベントも開催されます。マリーナベイなどでは旧正月を祝う花火も開催され、観光客にも人気の時期となっています。