CPF(Central Providend Fund)はシンガポール政府が国民に代わって給与の一部から積み立てを行う制度です。CPFの使用用途は定年後の年金、医療、家、保健、資産運用などがあります。

CPFが義務付けられているのはシンガポール国内で雇用契約を結ぶシンガポール人もしくは永住権保持者です。また、シンガポール国内の企業に属するシンガポール人もしくは永住権保持者がシンガポール国外で働く場合は任意でCPFを支払う事ができます。

CPFの支払いは雇用側が行う

CPFの額は被雇用者の給与から計算され、雇用企業と被雇用者が毎月一定額を納めます。

支払いは企業がまとめて行い、この時CPFに積み立てられるお金は非課税となります。

CPFには4つのアカウントがある

CPFには使用目的別に4つのアカウントがあります。毎月支払うCPFはこの4つのアカウントに振り分けられます。また、各CPFアカウントに積み立てられたお金には利子が付いてきます。(利子率に関してはCPFウェブサイト上の1次情報を確認して下さい。)

Ordinary Account (OA)

家の購入、住宅ローンの支払い、子供の教育費、保険や投資に使えるアカウントです。(投資はCPFの額を増やす為に行え、政府指定の投資商品に使えます。)

Special Account (SA)​

老後の年金、リタイアメントに関連する投資などに使えるアカウントです。

MediSave Account (MA)​

老後に必要となる医療費を積み立てる為のアカウントです。指定された医療保険や入院費用にも使えます。

Retirement Account (RA)

55歳を過ぎから上記のOAとSAの引き出しが可能にのるアカウントです。

CPFのスキーム

CPFにはいくつものスキームが用意されています。スキームのカテゴリはリタイアメント、住宅、ヘルスケア、CPfの調整、個人事業主向け、その他の6つに分かれています。

日本の制度との違い

日本国内で毎月給料から引かれると言えば厚生年金や健康保険制度です。ただ、違う国の制度ですので中身は大きく異なります。

シンガポールと日本で一番違うのは、積み立てられたお金が誰に支払われるかです。

日本の年金制度は一度すべての年金を基金に集め、年金の受け取り年齢になった日本国民に配分します。一方、シンガポールのCPFの場合は、受取人はあくまでもCPFの支払いを行った個人です。

自分の年金は自分で稼いだ分だけでなので、日本の年金制度のように不公平が生じる事がありませんが、逆に言えば自分が稼いだ以上の補償を受けることが難しい制度となっています。