DORSCON(Disease Outbreak Response System Conditionの略)とは、シンガポール政府が感染症の感染拡大状況を管理・抑制するための指針を示すためのシステムです。DORSCONは2003年に発生したSARSの後に作られたシステムで、感染症のレベルとそれに合わせて取られる対策内容のガイドラインが色別(緑、黄、オレンジ、赤の4色)で書かれています。

警戒レベル 生活への影響
緑色 日常生活への支障は最小限で地域社会への感染もなし。
黄色 日常生活への支障は中程度でコミュニティへの影響は低い。
オレンジ色 日常生活に著しい支障をきたし、地域社会に中程度の影響を与える。
赤色 日常生活に重大な支障をきたす。コミュニティー内の感染率が高い。

シンガポールで新たな感染症が発生した場合、政府は状況を把握し、患者数、感染率、重症度などの要素からDORSCONの警戒レベルを設定することになります。DORSCONの警戒レベルは、感染症の拡大を抑制する為に社会的距離を置く、旅行を制限する、衛生対策を強化するなどの推奨措置とともに、国民に伝えられます。

過去に起こったDORSCON発動事例

時期 発動レベル 感染病
2019年2月 オレンジ COVID-19
2009年4月 オレンジ Influenza A (H1N1-2009)