オオトカゲ(Monitor Lizard)

オオトカゲ(Monitor Lizard)とは?

オオトカゲ(Monitor Lizard)は、アジア・アフリカ・オセアニアを中心に生息する大型のトカゲで、シンガポールでも自然公園や貯水池付近で比較的よく見かけられる生き物です。その大きさから最初は驚かれることもありますが、基本的にはおとなしく、人を襲うことはほとんどありません。主に水辺に生息し、泳ぎも得意で、魚や小動物、果物などを食べて暮らしています。

シンガポールで見られるオオトカゲは、主に特に「ミズオオトカゲ(Malayan water monitor)」「キカラスオオトカゲ(Clouded monitor lizard)」「デュメリルオオトカゲ(Dumeril’s monitor)」の3種とされています。

ミズオオトカゲ(Malayan water monitor)

ミズオオトカゲ(別名:マレーオオトカゲ、英名:Malayan water monitor、学名:Varanus salvator)は、シンガポールで最もよく見かけられるオオトカゲで、都市公園や排水路、マクリッチー貯水池公園などでもよく目撃されます。全長は2メートル近くまで成長することもあり、ずっしりとした体つきと長い尾が特徴です。

ミズオオトカゲは泳ぎが得意で、基本的には水辺を好みます。性格は穏やかで、こちらから刺激しなければ攻撃してくることはほぼありません。

キカラスオオトカゲ(Clouded monitor lizard)

キカラスオオトカゲ(英名:Clouded monitor lizard、学名:Varanus nebulosus)は、ミズオオトカゲよりもやや小柄で、全長はおおよそ1メートル前後まで成長するオオトカゲです。体色は灰褐色で、名前(英名)の通り雲のような模様が全身に見られるのが特徴です。

キカラスオオトカゲは木登りが得意で、森林や茂みの多いエリアで目撃されることが多く、都市部ではあまり見られません。昆虫や小型哺乳類などを主に食べて生活しています。シンガポールでは自然保護区内でたまに目撃される程度で、ミズオオトカゲに比べて遭遇する確率も低くなります。

デュメリルオオトカゲ(Dumeril’s monitor)

デュメリルオオトカゲ(英名:Dumeril’s monitor、学名:Varanus dumerilii)は、シンガポールでは非常に珍しい種類のオオトカゲです。全長は1.5メートルほどになり、他のオオトカゲよりも細身なのが特徴です。体色は黒っぽく、背中には薄い斑点が見られます。

デュメリルオオトカゲは森林性で、湿地帯や森の中を好みます。警戒心が強く、なかなか人前に姿を見せず、昆虫や小動物、時には果物も食べる雑食性です。

シンガポール国内でも生息が確認されている地域は限られており、研究者や自然愛好者にとっては特別な存在として注目されています。

シンガポールでオオトカゲと出会ったら

シンガポールでは、自然との共生を大切にする社会として、野生動物との距離の取り方がしっかりと意識されています。オオトカゲは野生動物保護法の対象にもなっているため、捕獲や傷つける行為は法律で禁止されています。その為、オオトカゲを見かけても、近づきすぎず、静かに見守るのが基本です。特に繁殖期や子育て中は警戒心が強くなることもあるため、むやみに追いかけたり、触ろうとするのは避けましょう。

参考情報

National Parks Board : Monitor Lizards