シンガポールでよく耳にする食べ物の中に「カヤトースト」や「パンダンケーキ」があります。カヤトーストとパンダンケーキは共に甘い香りを持つのが特徴的な食べ物なのですが、この香りのもとになっているのがパンダンリーフ(英:Pandan Leaves、別名:パンダンの葉)です。
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パンダンリーフって何?
パンダンリーフ(パンダンの葉)はアジアやアフリカなどの熱帯地方でよく見られる植物です。見た目の特徴は、パイナップルの様な実と蛸の足の様な根っこで、日本国内でも沖縄や小笠原諸島に繁殖している植物です。
東南アジアではお馴染みの植物で、特にパンダンリーフの持つ甘い香りは料理や芳香剤など様々な場面で使われています。
料理中に登場するパンダンリーフ
パンダンリーフは、生食、ペースト、エキス、パウダーなど料理中に様々な形で登場する万能植物です。使用目的も「天然着色料として」「香り付け」「料理を巻くためのラップとして」など色々な目的で使用されます(世界には約600種類のパンダンリーフがありますが、中には食用に向かない物もあります)。
パンダンリーフは、その甘い香りから「東洋のバニラ」とも呼ばれていています。また、パンダンリーフを着色料として使うと、鮮やかな緑色(よくエメラルドグリーンと例えられます)になります。
パンダンリーフは、料理の中でも特にエスニック料理やスイーツ(パンやケーキ、タピオカ等)によく使われます。これはパンダンリーフの持つ甘い香りと天然着色料としての役割りがこれらの食べ物にピッタリだからです。
パンダンが使われた食べ物や飲み物の例
■ カヤジャム(Kaya Jam)
シンガポールのソウルフードと呼ばれるカヤトーストに使用されているのがカヤジャム(パンダンが使用されているのは「ニョニャ・カヤジャム」)です。爽やかな甘さがバターと合わさって観光ブックにも必ずのるシンガポールの人気フードとなっています。
■ パンダンケーキ(Pandan Cake)
シンガポールのローカルスイーツとして有名ながパンダンケーキです。パンダンリーフの特徴である甘い香りと鮮やかな緑色の両方を楽しめるスイーツとなっています。
■ パンダン・ティー(Pandan Tea)
パンダンの香りはお茶にもピッタリです。ただ、パンダンリーフ自体に味はありませんので、乾燥したパンダンリーフを他のお茶やハーブと混ぜてお茶を入れるのが一般的です。
パンダンリーフが持つ栄養素
パンダンリーフは自然食品としての側面も持っています。パンダンリーフに含まれる主要な栄養素は、クロロフィル(葉緑素)、ビタミンA、リンで、クロロフィルは抗酸化作用、抗菌作用、消臭効果にすぐれ、ビタミンAは皮膚や粘膜を保護し、免疫機能を高めると言われています。
※あくまでパンダンリーフに含まれる栄養素が持つと言われている効能であり、パンダンリーフを食べたからと言って上記の効果が期待できるわけではありません。
オイルとしてのパンダンリーフ
独特で爽やかな香りを持つパンダンリーフから取れるオイルは様々なところで利用されています。室内用アロマ、マッサージをする時のボディオイル、スキンケア商品のエッセンシャルオイル等として使われます。特にスキンケア商品としては、パンダンリーフが持つ殺菌効果が健康な肌を保つ働きがあると言われています。
それ以外に登場するパンダンリーフ
パンダンリーフの独特な甘い香りは料理やオイルとして以外にも活躍します。パンダンリーフの香りはをゴキブリや蚊などの虫よけ(効き目については少し不確かですが)や、冷蔵庫や車の中に入れて消臭に使用される事もあるようです。また、人が集まるロビーやホテルのエレベーターに日々芳香剤として使用される事もあります。
香り以外の面でも、パンダンリーフが直接利用される事もあります。乾燥させたパンダンリーフはポプリとして部屋の隅に飾られたり、細く裂いたパンダンリーフで籠やバッグを編んで売られる事もあります。また、パンダンは街中の街路樹として植えられることもあります。