ビロードカワウソ(Smooth-coated otter)

ビロードカワウソ(Smooth-coated otter)とは?

ビロードカワウソ(英名:Smooth-coated otter)は、東南アジア一帯に生息するカワウソの一種で、学名では「 Lutrogale perspicillata」と呼ばれています。その名のとおり、ビロードのようにツヤツヤしたなめらかな毛並みが特徴です。シンガポールでは絶滅危惧種に指定されているにもかかわらず、都市部の水辺にも姿を現すことがあり「都会のカワウソ」として人々からも親しまれています。

近年ではマリーナ・ベイやシンガポール川、ビシャンパークなどでも家族単位(カワウソの家族)で見かけられることが増えていて、SNS上でもでその可愛らしい姿がたびたび話題になります。

どこに住んでいるの?シンガポールにおける生息地

ビロードカワウソは本来、湿地やマングローブ、川や湖などの水辺を中心に暮らす動物です。シンガポールは自然が少なく都市開発が進んだ国家ではあるのですが、ウォーターフロントのや自然保護区の整備によってビロードカワウソの生息域が復活しつつあります。また、マリーナ・バラージ周辺やパシル・リスパーク、ビシャン・アンモーキオパークといったエリアは、家族単位で生活するカワウソが日常的に姿を見せるスポットとして知られています。

更に、シンガポールではカワウソが住宅街周辺の水路を泳いでいることもあり、自然と都市が共存するシンガポールらしい風景のひとつになっています。

ビロードカワウソの性格と行動の特徴

ビロードカワウソは、非常に社会性のある動物で、家族単位(群れ)で行動します。通常は親子で構成される群れが多く、親カワウソが子どもたちを連れて魚を狩ったり、水辺で遊んだりする様子が観察されています。

鳴き声も豊かで「キュッキュッ」と鳴いたり、警戒音を発したりと、さまざまな声でコミュニケーションをとります。シンガポールで見られるカワウソは野生動物ですので警戒心はありますが、人のいる場所にも現れる好奇心旺盛な性格です。

食べ物は主に魚やエビ、カニなどの水生生物で、鋭い歯と器用な前足を使って器用に捕らえます。泳ぎも抜群にうまく、水中では非常にすばやい動きを見せます。

保護活動と共生の工夫

以前は水質汚染や生息地の破壊によって数が減っていまったビロードカワウソですが、近年は環境意識の高まりと保全政策によって少しずつ数を増やしてきています。また、National Parks Boardや自然保護団体が中心となって、カワウソの生息地保護やモニタリング調査などもが進められています。

更に「OtterWatch」などの市民参加型の観察プロジェクトもあり、SNSでの発見報告や写真共有を通じて、多くの人が自然との共生を意識するきっかけにもなっています。