シンガポールでの英語学習を考える時に気になるのが「シンガポール人の話す英語」です。シンガポールをインターネットで調べてみた事のある方は「シングリッシュ」と言うワードを目にした事もあるのではないでしょうか?
本ページでは、皆様が持つシンガポール英語への疑問を解決するべく、シンガポールの方々が話す英語についてまとめてみました。
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シンガポールの方々が話す英語について
シンガポールって本当に英語圏なの?
まず初めに英語圏と準英語圏の説明をします。
- 英語圏はアメリカやイギリスが主な例となる様に国民全体が第一言語を英語としている環境です。
- 準英語圏は完全な英語環境でないものの、国民が英語を使用する機会が多い環境を持つ国に使われます。
シンガポールはこの中の英語圏又は英語圏に近い準英語圏と呼ばれる国となり、国内で最も使用されている言語は英語となります。
■ シンガポールが英語圏となった背景
ただ、シンガポール人が英語を第一言語として話す背景は、イギリスやアメリカとは少し異なっています。移民が集まって出来たシンガポールは国の歴史も浅く、英語を第一言語として使用している期間もアメリカやイギリスと比べれば遥かに短くなります。その為、シンガポールの高齢者層は英語ではなく、それぞれの民族語を第一言語として話ふ方も沢山いらっしゃいます。(若い世代では逆に民族後が得意でない方が増えています。)
■ シングリッシュについて
シンガポールで話される英語は「シングリッシュ」と呼ばれます。これは公式に存在する言語ではないのですが、シンガポールで生まれたシンガポールで話される英語を指して使われます。 シングリッシュにも「シングリッシュの強さ(日本でいう訛りの強さ)」の様なものがあり、同じシンガポール人でも民族背景や世代の違いなどでアクセントの強さが変わってきます。
シンガポール人の話す英語って正しいの?
シンガポールで話される英語の正確性には「話す場所と相手」によってムラが出ます。また、シンガポールではアメリカ英語やイギリス英語に比べて簡素化された表現が多く、文法的には間違いとなってしまう場合もある事から、シンガポールの英語は崩れているとよく言われています。
一方、簡素化された表現の使用は、会話の相手やその場の状況によって変化します。特に職場やイベント等のフォーマルな場や文書で使用される英語(Eメールや書類など)はきちっとした英語表現が使用されます。
英語力ではフィリピンとどっちが高いの?
シンガポールとフィリピンは共に英語を公用語とする国で、東南アジアでの語学留学先として人気を集めています。両国共に英語の使用頻度がとても高い国で、英語を母国語としない100カ国を対象に行われた2020年EF英語能力指数ランキングでシンガポールが世界10位でフィリピンが27位にランクインしています。 ※シンガポールでは既に英語が第一言語(国語はマレーシア語)とされていますが、本調査では「英語を母国語としない国」としてランキングに名前が入っています。
シングリッシュ(Singlish)について
シングリッシュ(Singlish)とは、シンガポールで話される英語(English)を指す言葉です。シンガポールは英語圏や準英語圏と呼ばれる国ですが、欧米で話される英語(American EnglishとBritish English)とアクセントやスラングが異なる事からシングリッシュ(Singlish)と区別されて呼ばれる事があります。
シングリッシュはあくまで「シンガポール人が持つ独特のアクセントやスラングが強く出ている英語」に使われる名称で、日本語や中国語のように公的な形でシングリッシュという言語が存在するわけではありません。
シングリッシュの特徴
シングリッシュにはベースとなる英語以外の言語の要素が多く取り入れられています。シングリッシュのイントネーションや文章構造は、シンガポールで話される福建語、広東語、テオチュー語などの中国語の方言の影響を強く受けているほか、マレー語やインド語の影響も受けています。実際の会話でも、マレー語で「推定」を意味する agak agak や福建語で「忙しい人」を意味する kaypoh などを耳にする事も少なくありません。
また、文法面でもシングリッシュは英語と異なります。違いとして多いのが、語尾、時制、複数形、定冠詞、接続詞(「is」や「am」など)が無視される事です。
シングリッシュ特有の時制に関する例
- You walk so slow. ⇨ You walk so slowly.
- She shop here yesterday. ⇨ She shopped here yesterday.
- Teck very rich. ⇨ Teck is very rich.
また、シングリッシュでは特定の意味を伝えるために名詞、動詞、単語の一部を繰り返す話し方(Reduplication)も頻繁に使用されます。
シングリッシュで登場する繰り返しに関する例
- Where is your boy boy?
- Let her be, cry cry awhile then she'll be all right.
- Don't always eat sweet sweet things.
- I walk walk then I fall down.
- Take bus no good, always stop stop.
その他にも、英語には存在しない「lah」「leh」「lor」という言葉が文末にくっ付くのもシングリッシュの特徴です。
シングリッシュで使われる「Lah」「Leh」「Lor」の例
「Lah」の例
A: “I’m really quite certain that I saw your husband buying 4D at 7–11!”
B: "No lah, cannot be! My husband is not that kind one lah!"
「Leh」例
A: "I'm really quite certain that I saw your husband buying 4D at 7–11!"
B: "Huh? Sure or not? My husband not the kind to play 4D leh…"
「Lor」の例
A: "Wah, I heard you lost your job? That sucks balls sia…"
B: "What to do, life goes on. Like that then like that lor…"
シングリッシュでよく使われる表現
シンガポールでよく耳にするシングリッシュの表現をいくつか集めてみました。
Canの使い方
シンガポールでは「できます」の意味で「Can」が頻繁に使用される短縮形です。通常の英語では「Can you do that?」や「Yea, I can.」となる文を「Can」の一言にまとめてしまう表現です。
A : You compile this work by 3:00 pm, can?
B : Can!
No needの使い方
「必要ありません」という意味で使われるのが「No need」という短縮形です。通常の英語では「It is not necessary」や「I do not need that」となる文を「No need」で表現します。
A : Do you need me to call you tomorrow morning?
B : No need!
Alamakの使い方
「Alamak」はマレー語の「allah(神)」と「Emak(母)」からできた言葉でシンガポール式の「Oh my god」や「Oh no!」です。ただ、使われるタイミングと発音から日本人は「あらま!」と覚えた方が良いかもしれません。笑
A : Did you manage to complete your assignment?
B : Alamak! I totally forgot about my assignment.
シングリッシュを実際に聞いてみる
リー・シェンロン首相のスピーチ
シンガポールのニュース番組(CNA)
シンガポールのYouTuber(JianHao Tan)
ちょっとアクセントの強いシングリッシュ