シンガポールは外国人雇用の多い国として知られています。そんなシンガポールで外国人が就職活動をする際に知っておきたいのが、自身が就労ビザ(EP又はS Pass)を申請する際の最低給与額です。この最低給与額は申請者の年齢や経歴によって変化する為、自身の希望給与額を決める上で大切な情報になってきます。
本記事では自身の最低給与額を事前に調べる事のできる人事用ツール「SAT(Self-Assesment Tool)」を解説していきます。SATはシンガポール労働管理局が公式に出しているツールですので、シンガポールで就職活動を行う際には是非利用してみて下さい。
本記事で紹介するSATはEPとS Pass申請者向けに利用されるツールとなります。EPとS Passについての基本情報をまだお読みでない方は「シンガポールの就労ビザ(EPとS Pass)について」を先にご覧下さい。
シンガポールの就労ビザについて
シンガポールで就職をする際には現地の就労ビザを取得する必要があります。シンガポールで最も一般的に申請される就労ビザはEPとS Passの2種類となっていて、この両ビザには申請に必要な最低給与額が定められていてます。また、最低給与額はビザ申請者の年齢、学歴、職歴などによって上昇する仕組みとなっています。
最低給与額の例
シンガポールでEPを申請する際の最低給与額は下記の通りとなります。(2022年9月時点)
セクター | 最低給与額(EP) |
金融以外の全てのセクター | $5,000(最低給与額は申請者の年齢と共に上昇する。上限は40代半ばの方を対象とする$10,500) |
金融セクター | $5,500(最低給与額は申請者の年齢と共に上昇する。上限は40代半ばの方を対象とする$11,500) |
実際の申請では、下記のように申請者間で必要な最低給与額に差がでてきます。
- 四年生大学卒業の30歳AさんがEP申請する際の最低給与額は$5,800。
大学院卒の40歳BさんのEP申請する際の最低給与額は$7,400。
※評価基準は異なりますが、S Passでも申請者の経歴に合わせて最低必要給与額が上昇します。
SAT(Self-Assesment Tool)について
SAT(Self-Assesment Tool)は、シンガポール労働局が出している人事用ツールで、就労ビザ申請者の情報を元に以下の事を確認する事ができます。
- EP又はS Passを取得できる可能性があるかどうか
- EP又はS Pass申請に必要な最低給与額
SATはEP/SPass申請における適正を確認する政府公式ツールではありますが、SATの結果がビザの承認へ直接反映されるわけではありません。SAT上で示された以上の給与額でビザの申請を行った場合でも非承認(別の理由も含め)となる場合もあります。
実際にSATを使ってみる
実際にSATを使ってみました。今回はサンプル用として、下記の経歴をベースに行いました。
申請予定日(仮) | 2022年10月1日に申請 |
卒業大学 | 早稲田大学(学部) |
専攻学部 | 専攻:経済学部 |
国籍 | 日本人 |
生年月日 | 誕生日:2001年8月20日 |
入社後のポジション | Marketing Executive(非金融セクター) |
■ 主な項目は5つ
SATで入力する必要のある項目は大きく分けて①目的、②求人情報、③個人情報、④職務経験、⑤学歴の5項目となります。また、各項目内に複数の質問が準備されています。
■ SATの結果
今回のSATではEPの最低給与額は$5,500、S Passの最低給与額は$3,000という結果となりました。これを元に上記のような経歴を持っている方はS Passであれば$3,000以上、EPであれば$5,500以上の月額給与となる求人をターゲットとして就職活動を行っていくと判断する事ができるようになります。
最後に
シンガポールでの転職活動に役立つSATについて解説をさせて頂きました。シンガポール就職を行う際に自身の就労ビザに必要な最低給与額を知るために役立つツールですので、是非利用してみてください。