東南アジアのビジネスバブとも呼ばれるシンガポールは、海外インターンシップ先としても人気を集めています。このページでは、そんなシンガポールでインターンシップを行うにあたっての「メリットとデメリット」について解説して行きます。
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シンガポールが持つ特徴
まずは、インターンシップ先としてシンガポールが持つ特徴を簡単にまとめていきます。
シンガポールが持つ特徴
- シンガポールは多民族国家
- 外国人比率が約30%
- 東南アジアの中で唯一の先進国
- 東南アジアの統括拠点
- 英語圏(又は準英語圏)
シンガポールがインターンシップ先国として持つ大きな特徴は、その国際性の豊かさです。英語圏であるシンガポールの人口は、複数の主要民族(中華系、マレー系、インド系など)に加え多くの外国人から成っています。また、東南アジアで唯一の先進国であり、海外企業の呼び込みにも力を入れているシンガポールには、アジアの統括拠点を設置するために世界各国の企業や優秀な人材が集まっています。
シンガポールでインターンシップをするメリット
日本から地理的に近い英語圏/準英語圏
シンガポールはアジアで英語を共用語とする数少ない国の1つです。高い英語の使用頻度から英語圏や準英語圏と呼ばれる国で、アジア各国の英語力ランキングでも毎年1位に輝いています。また、人口の約3割が外国人であるシンガポールには欧米の方々の数も多く、社内書類や政府関連の提出物など全て英語で行われています。
シングリッシュについて
シンガポールの英語と言えば「シングリッシュ」が有名です。シングリッシュは確かに「クセ」のあるシンガポール英語の特徴なのですが、使われ方としては「カジュアルな会話」に限定される事が殆どです。オフィスを例にすると、シングリッシュは同僚間でのコミュニケーションに使われる事が主で、社外への対応などの際にシングリッシュを使う事は殆どありません。
イメージとしては「日本の地方に住む方が標準語を話す」という場面が近いかと思います。各地方でのアクセントは残るものの、基礎は同じ日本語であるという感覚に似ています。
ハイスペックな人材が多い国
シンガポールは教育に力を入れている国で、シンガポールの国立大学はイギリスのクアクアレリ・シモンズ社(QS)が毎年9月に出す世界大学ランキングのアジア部門でトップ5に名前を連ねていてます。また、シンガポール政府は就労ビザの取得条件を厳しく設定していて、日本人を含む外国人は一定の学歴もしくは給与水準がないとシンガポールで仕事が出来ない状態(一部の国籍を除く)となっています。
シンガポールが持つこれらの特徴から、シンガポール国内で活躍する人材はハイスペックな方が多く見られる社会環境となっています。
治安に関する不安が無い
シンガポールは治安の良い国としても知られています。実際に「The Institute for Economics and Peace」という団体が公開する世界各国の治安レベルで、シンガポールは最も安全な地域として振り分けられています。また、在住する日本人が多いシンガポールには、日本人が住みやすい環境も整っています。また現在のシンガポールは親日度の高い国である事も、日本人にとって住みやすい環境を持つ国となっている理由となります。
海外インターンシップに参加する上で現地国の治安は重要項目となりますので、治安の良さもシンガポールでインターンシップを行うメリットの1つとなります。
多民族性なオフィス環境
シンガポールの国民は、主に3つの主要民族(中華系、マレー系、インド系)から形成されています。その為、シンガポールでは国内の至るところにこの3民族の特色が表れています。下にその例をあげてみます。
- 国内の表記やアナウンスメントが3言語で行われる。(業務に使う言語は「英語」が主)
- 各民族の祝祭日が「国民の祝日」となっている。
- 各民族の文化が色濃く残る地域(チャイナタウン、リトル・インディア、カポン・グラム)がある。
シンガポールのオフィス現場でも、複数民族が交じり合って業務を行っています。また、民族別に得意な業務や仕事への向き合い方に微妙な差があったりもします。
シンガポールでインターンシップをするデメリット
物価 / 生活コストが高い
シンガポールは世界で最も物価の高い国の1つとして知られています。イギリス・ロンドンの『The Economist』が発表した2022年の調査結果で、シンガポールはニューヨークと共に世界で最も物価の高い国としてランクインしています。
シンガポールでのインターンシップは「有給」が主になるものの、生活コストを全て賄う事ができない場合が殆どです。海外挑戦を行うにおいて「生活コスト」は可能な限り低く抑えたい部分ですので、シンガポールの物価はインターンシップを行う大きなデメリットとなってしまいます。
観光面(国内)での魅力が薄い
海外インターンシップの活かし方は、業務時間内だけに限りません。自分が見たことのない物(日本で見る事が出来ない物)を見て回る事も、海外だからこそ得られる大切な経験の1つとなります。
シンガポールは観光客の多い国ですが、その国土は淡路島ほどの大きさしかありません。国内で観光できる場所も限られてしまい、インターンシップの中盤に大体の観光地に足を運んでしまったという話もよく耳にします。
日本人の数が多い
シンガポールはアジアの中でも日本人の数が多い国です。また、国土が小さな事もあり必然的に日本人の密度も高くなってしまいます。生活の中で関わる日本人の数はインターンシップ中の努力で調整はできますが、日本人から離れた環境を維持するのは少し難しい国とも言えます。
ただし、単純な海外経験ではなく「海外の仕事を学ぶ」という意味では、海外で実際に活躍する日本人から実体験を聞ける機会を多く持てる国とも言えます。
最後に
今回はシンガポールでインターンシップをするメリットとデメリットについて解説しました。他のインターンシップ先国にもそれぞれ違ったメリットとデメリットがあります。どの国でインターンシップをするか迷っている方は、各国が持つ特徴に目を通した上で意思決定をしてみて下さい。