
タンジャケット(Tang Jacket)とは?
タンジャケット(Tang Jacket / 唐装)は、近代以降に広く普及した中華風のジャケットで、男女問わず着用されるショート丈の上着を指します。立ち襟や中華ボタンが特徴で、素材にはシルク、コットン、リネンなどが使われています。フォーマルにもカジュアルにも合わせやすく、旧正月の衣装としても定番の服装として広く着用されています。
シンガポールを含む東南アジアの華人社会でもよく着用されていて、文化行事で目にする機会の多い中華スタイルの衣装です。
タンジャケットが着用される場面
シンガポールでは、旧正月、学校の文化行事(Racial Harmony Dayなど)、文化行事、企業イベント、結婚式など、幅広い場面でタンジャケットが着用されています。色やデザインのバリエーションも豊富で、男女問わず子どもから大人まで気軽に取り入れられるのもタンジャケットの特徴です。
※ 特に若い女性の間ではタンジャケットよりチーパオ(Qipao)を選ぶ方が多い印象もあります。
タンジャケットの歴史
タンジャケットは、清朝の伝統服であるチャンシャン(長衫 / Changshan)や馬褂(Magua)をもとに、20世紀以降の都市部で発展したモダン中華スタイルの衣装とされています。中華圏で洋装文化が広まる中、立ち襟や中華ボタンといった伝統的要素を残しつつ、より動きやすいショート丈のジャケットとして普及しました。
その後、華人社会が多い東南アジアにも広く浸透し、現在では「中華系文化行事の定番服」として認知されています。フォーマル寄りのデザインから日常で使えるシンプルなものまで幅広く、シンガポールでも中華文化を象徴する衣装のひとつとして位置づけられています。

