トゥドゥン(Tudung)

トゥドゥン(Tudung)とは?

トゥドゥン(Tudung)は、イスラム教を信仰するマレー系の女性が身につけるスカーフのことで、髪の毛や首まわりを隠すために着用されます。宗教的な意味合いが強く、ムスリム女性の「礼儀正しい服装(モデスティ)」の一環として位置づけられています。「トゥドゥン」にはマレー語で「覆うもの」や「ベール」という意味があり、外出時や人前で着けるのが基本です。

近年では、制服にトゥドゥンを合わせる学生や、ビジネススーツにトゥドゥンを合わせた女性の姿も増えていて、宗教的な義務としてだけでなく、ファッションとしての要素も年々強まってきています。

トゥドゥンのデザイン

トゥドゥンは、頭からすっぽりかぶるタイプと、長方形のスカーフをピンで固定するタイプなど、いくつかのスタイルがあります。素材もさまざまで、通気性のあるコットンや、シルキーでドレープが美しいポリエステル混など、用途やシーンに合わせて選ばれます。

派手な装飾は避けられる傾向にありますが、最近ではビーズやレースを使ったデザインや、カラフルなプリント柄など、おしゃれさを意識したトゥドゥンも増えています。特にハリラヤなどの特別な祭日には、バジュ・クルンなどの民族衣装とトゥドゥンを色や柄でコーディネートして、フォーマルかつ華やかな印象を演出するのが一般的です。

トゥドゥンが持つ文化的・宗教的な意味合い

イスラム教では、女性が自分の身体を隠すことで、謙虚さや品位を保つことが重要とされています。トゥドゥンの着用は、ムスリム女性が自身の信仰を実践する手段の一つであり、外見的な信仰の表れでもあります。一方で、近年では女性自身が「着用しない」意志を持つ事もあり、同じイスラム教でもライフスタイルや宗教観により着用の有無が異なるようにもなってきています。

シンガポールでは、トゥドゥンを含む宗教的な服装は個人の自由として保障されていて、職場や学校でもその権利が広く認識されています。着用の自由を代表する例としては、公立学校の制服にトゥドゥンを合わせることが正式に認められたり、公務員でも着用が可能になるなど、制度面でも進展が見られています。

また、ファッションとしてのトゥドゥン文化も活発化していて、ローカルブランドやSNSを販売チャネルとするショップなどがトゥドゥン専門のデザインを展開しています。トレンドカラーやスタイリング動画がシェアされることも多く、若い世代を中心に「見せるトゥドゥン」への関心が高まっているのも特徴です。