
ベサックデー(Vesak Day)とは?
ベサックデー(Vesak Day)は、仏教徒にとって重要な祝日の一つで、仏陀の誕生・悟り・入滅を同時に記念する祭日です。シンガポールでは国民の祝日として制定されていて、通常は毎年5月頃に祝われます。祝日の日付は太陰暦(旧暦)の「4月の満月の日」に基づいて決められていて、これがグレゴリオ暦では年によって4月末から5月中旬頃となります。
また、仏教徒に限らず、他宗教や異なる文化背景の人々もこの日を敬い、寺院での祈りや奉仕活動などに参加することも少なくありません。
ベサックデーの始まり
ベサックデー(Vesak Day)は、仏教の開祖である釈迦(ゴータマ・ブッダ)の「誕生」「悟り」「入滅(涅槃)」という三つの重要な出来事を同日に記念する祝日です。インドやスリランカを起源とし、アジア各地の仏教国で広く祝われていて、シンガポールでは多民族社会の中でも仏教徒を中心に受け継がれてきた文化的行事です。
伝統的な風習と行事
ベサックデーには、慈悲の精神を表す行いが奨励され、多くの人が慈善活動や寄付を行います。寺院では朝から仏像の沐浴儀式(バシン・ブッダ)が行われ、信者は仏像に水をかけることで心の浄化と謙虚さを示します。また、瞑想、読経、灯籠行列、放生(魚や鳥を自然に放つ)なども行われ、善行を通じて功徳を積む日とされています。
ベサックデーは、仏陀の誕生・悟り・入滅を同時にたたえる仏教の大切な日で、シンガポールでは寺院での儀式や善行が広く行われます。朝から信者が集まり、仏像への水掛け(バシン・ブッダ)や読経、瞑想、灯籠行列などが行われ、花や果物、ロウソクなどの供物が祭壇に捧げられます。これらは無常を象徴し、感謝や謙虚さを表します。
この日は殺生を避け、菜食を選ぶ人も多く、寄付やボランティア活動も奨励されます。また、一部寺院では三歩ごとに礼拝を繰り返す「三歩一拝」や、上座部仏教のコミュニティによるミルク粥の供物など、宗派ごとの特色ある儀式も見られます。
なお、動物の解放(放生)は他国のベサックデーでよく見られる風習ですが、シンガポールでは生態系保護の観点から禁止されています。
よく見られる食文化と料理
ベサックデーには殺生を避けるため、菜食中心の食事が選ばれる傾向があります。多くの寺院や慈善団体が無料の精進料理を提供したり、菜食料理の屋台が設けられることもあります。また、家庭でもこの日だけは肉類を控える習慣を取り入れている家族も多く、仏教の教えに沿った食文化が見られます。
街中の雰囲気と行事ごと
この日はシンガポール中の仏教寺院が花や灯篭で飾られ、参拝客で賑わいます。とくにトアパヨにあるカンティー寺院やチャイナタウンの仏牙寺(ブッダ・トゥース・レリック寺院)は多くの人で賑わい、夜には灯籠が輝く厳かな雰囲気に包まれます。また、非仏教徒でも自由に見学できるため、観光客や地元民観光スポットとしても人気を集めています。