
シンガポールは、東南アジアを代表する先進国として知られていますが、その国土は東京23区ほどの大きさしかない小国です。そんな小国シンガポールでもギネス記録は生まれるのか?ということで、シンガポールのギネス記録事情について調査してみました。
2025年の9月時点で、シンガポールで誕生したギネス認定記録は50件以上が確認されています。なお、ギネス記録には日々更新・差し替えが発生するみたいですので、本記事の内容は2025年9月時点での情報としておいて下さい。
コンテンツ
- 1 シンガポールらしいギネス認定記録(10選)
- 1.1 記録1:国土の埋め立てによって、元の面積比で世界最速の成長を遂げた国
- 1.2 記録2:世界初の生物発光する花(First bioluminescent flower)
- 1.3 記録3:最大の高齢者健康教養講座(Largest senior citizen’s health awareness lesson)
- 1.4 記録4:最長のノンストップ商業フライト
- 1.5 記録5:最長のサテー料理(Longest satay)
- 1.6 記録6:Helix Bridge – 世界最大の二重らせん構造の橋
- 1.7 記録7:Flower Dome - 世界最大のガラス温室
- 1.8 記録8:Sports Hub National Stadium – 世界最大の自立式ドーム
- 1.9 記録9:Largest floating sports platform - 世界最大の浮きフィールド
- 1.10 記録10:世界初のF1ナイトレース(First Formula One night race)
- 2 シンガポールで最も古いギネス認定記録(3つ)
- 3 最近認定されたギネス記録(10選)
- 3.1 記録14: チームによる最大の刺繍作品(Largest embroidery by a team)
- 3.2 記録15: 競泳の4×100mメドレーリレー(女子)(Fastest swim long course relay 4×100m medley, female)
- 3.3 記録16:建物への投影画像で最高高度を達成(Highest projected image on a building)
- 3.4 記録17:建築物へのプロジェクションマッピングの最長(Longest architectural projection-mapped display, temporary)
- 3.5 記録18:単一映像の投影での最大光出力(Highest projected light output in a single image)
- 3.6 記録19:粽(バクチャン)で作った最大の「文字」(Largest rice dumpling word)
- 3.7 記録20:スーツ着用での最速マラソン(男子)(Fastest marathon in a suit, male)
- 3.8 記録21:最も高所(建物内)にあるマイクロブルワリー(Highest microbrewery in a building)
- 3.9 記録22:単一会場での最大アマチュアクリケット大会(Largest single location amateur cricket tournament)
- 3.10 記録23:混合 4×100m自由形リレーで最速(Fastest swim long course relay 4×100m freestyle, mixed)
- 4 シンガポールが持つギネス認定記録の特徴
- 5 最後に
シンガポールらしいギネス認定記録(10選)
記録1:国土の埋め立てによって、元の面積比で世界最速の成長を遂げた国
- 概要: シンガポールは独立当初の国土面積約581平方キロメートルから、継続的な埋め立てによって2025年時点で
- 735.7平方キロメートルへ拡張しています。これが国土の面積比で世界最速の成長を達成した国としてギネスに認定されています。
- 認定された年: 年未公表(ギネス公式に年記載なし)
- 現在の状況:現在も有効な認定となっている。
記録2:世界初の生物発光する花(First bioluminescent flower)
- 概要: National Institute of Educationの Chia Tet Fatt 教授が、デンドロビウム「White Fairy #5」という白花のラン(蘭)に、ホタルから採られたルシフェラーゼ遺伝子を導入し、生物発光性を持たせた植物を誕生させました。茎や根、葉、花弁など複数の部位が発光し、発光持続時間は最大で約5時間とのことです。
- 認定された年: 1999年12月。
- 現在の状況:現在も有効な認定となっている。
記録3:最大の高齢者健康教養講座(Largest senior citizen’s health awareness lesson)
- 概要: Changi General Hospital, Singaporeが、病院本館のアトリウムで469人の高齢者を対象に健康教養講座を開催し「最大の高齢者健康教養講座(参加者数)」というギネス世界記録を達成しています。
- 認定された年: 2024年
- 現在の状況:現在も有効な認定となっている。
記録4:最長のノンストップ商業フライト
- 概要:2004年6月にシンガポール航空がシンガポール⇄ニューアーク直行便を開設し、当時「最長距離の定期商業フライト」としてギネス認定されました。その後「距離」の記録は他社路線に更新されましたが、2018年の再就航後は「所要時間が最長となる無着陸定期便」として記録を保持し続けています。
- 認定された年:2004年
- 現在の状況:更新されている。
記録5:最長のサテー料理(Longest satay)
- 概要: シンガポールの「Lau Pa Sat」で開催されたイベントで、全長140.02mのサテー(鶏肉150kg使用)が調理されました。約150人のスタッフが炭火で焼き上げ、当時「世界最長のサテー料理」としてギネスに認定。
- 認定された年: 2007年
- 現在の状況: 現在も有効な認定記録。
記録6:Helix Bridge – 世界最大の二重らせん構造の橋
- 概要:Helix Bridge(ヘリックス・ブリッジ)は、マリーナ・ベイに架かる全長約280mの歩行者専用橋で「世界最大の二重らせん構造の橋」としてギネス認定されています。ステンレス鋼で作られた独特のデザインは、夜間にLED照明で美しく演出され、展望プラットフォームからはマリーナ湾岸の景観を楽しむことができます。
- 認定された年: 2010年
- 現在の状況: 現在も有効な認定となっている。
記録7:Flower Dome - 世界最大のガラス温室
- 概要: シンガポールの Gardens by the Bay 園内にある Flower Dome が、柱の無いガラス温室(1.28 ヘクタール)としてギネスに認定されています。
- 認定された年: 2015年
- 現在の状況:現在も有効な認定となっている。
記録8:Sports Hub National Stadium – 世界最大の自立式ドーム
- 概要: Sports Hub National Stadium(ナショナル・スタジアム)は、直径312mの大屋根を備えた多目的スタジアムで、世界最大の自立式ドームとしてギネス認定を受けています。屋根は開閉式で、天候やイベント内容に合わせて調整可能です。サッカーやラグビー、コンサートなど幅広いイベントに対応でき、収容人数は約55,000人。シンガポールのスポーツや文化イベントの中心的施設として機能しています。
- 認定された年: 2014年
- 現在の状況:現在も有効な認定となっている。
記録9:Largest floating sports platform - 世界最大の浮きフィールド
- 概要: マリーナベイに建設された長さ120m、幅83m、可用面積19,960m²(スポーツ用途の可用面積)の浮動プラットフォームです。主にナショナルデーパレードやスポーツイベントに使用されていて、最大で27,000人を収容できる観覧席を備えています。
- 認定された年: 2007年
- 現在の状況: 現在も有効な認定となっている。
記録10:世界初のF1ナイトレース(First Formula One night race)
- 概要: 2008年9月にシンガポール市街地コース(マリーナベイ・ストリート・サーキット)で開催されたF1シンガポールグランプリが、史上初めて夜間に行われたフォーミュラワン世界選手権レースとしてギネスに認定されました。市街地をライトアップして開催される独自のスタイルは、シンガポールの都市演出力を象徴していると言われています。
- 認定された年: 2008年
- 現在の状況:現在も有効な認定となっている。
シンガポールで最も古いギネス認定記録(3つ)
記録11:最大のいす取りゲーム(単一会場)
- 概要: シンガポールのアングロ・チャイニーズ・スクールで、8,238人が参加した最大規模のいす取りゲームが行われました。ゲームは約3時間半に及ぶイベントとなり、ギネス記録として認定されています。
- 認定された年: 1989年
- 現在の状況: 現在も有効な認定となっている。
記録12:ナイトサファリ – 世界初の夜間動物園(First nocturnal zoo)
- 概要: シンガポールのナイトサファリは、動物を夜間に観察できる屋外型動物園として1994年5月に一般公開を開始し、世界初の夜間動物園としてギネスに認定されました。
- 認定された年: 1994年
- 現在の状況: 現在も有効な認定となっている。
記録13:世界最大の噴水(当時)
- 概要: サンテック・シティの「ファウンテン・オブ・ウェルス(高さ約13.8m、面積約1,683㎡、周長66mのブロンズリング構造)」は、1998年に「世界最大の噴水」としてギネスに認定されました。
- 認定された年: 1998年
- 現在の状況:現在はドバイの「パーム・ファウンテン」に更新されています。
最近認定されたギネス記録(10選)
記録14: チームによる最大の刺繍作品(Largest embroidery by a team)
- 概要: Qixi Fest Singapore が制作したチーム刺繍です。総面積180.66m²の巨大作品としてギネスに認定されています。
- 認定された年: 2025年8月
- 現在の状況:現在も有効な認定となっている。
記録15: 競泳の4×100mメドレーリレー(女子)(Fastest swim long course relay 4×100m medley, female)
- 概要: シンガポールで開催された水泳世界大会の女子 4x100mメドレーリレーでアメリカチームが最速タイムを達成し、ギネスに認定されています。
- 認定された年: 2025年8月
- 現在の状況:現在も有効な認定となっている。
記録16:建物への投影画像で最高高度を達成(Highest projected image on a building)
- 概要: UOB と Hexogon Solution によるプロジェクトで、高さ 277.78m の位置に画像を投影し世界記録となりました。
- 認定された年: 2025年6月
- 現在の状況:現在も有効な認定となっている。
記録17:建築物へのプロジェクションマッピングの最長(Longest architectural projection-mapped display, temporary)
- 概要: この記録は、シンガポール独立60周年を記念して実施された大規模なライト&プロジェクションイベント「Unity」の一部として達成されました。UOB Plaza 1 を中心にマリーナベイの建築群をスクリーンとして活用し、全長 280.03m にわたる一時的な投影を行ったものです。この記録は「仮設カテゴリー」での最長建築投影として公式にギネス認定されています。
- 認定された年: 2025年6月
- 現在の状況:現在も有効な認定となっている。
記録18:単一映像の投影での最大光出力(Highest projected light output in a single image)
- 概要: Unityによりプロジェクションショーで、単一投影画像における光出力の世界最大値を達成しギネス記録となりました。
- 認定された年: 2025年6月
- 現在の状況:現在も有効な認定となっている。
記録19:粽(バクチャン)で作った最大の「文字」(Largest rice dumpling word)
- 概要: Teo Ann Huay Kuan が 6,562 個の粽(バクチャン)を並べ、漢字の「福」の形を作った作品でギネス認定を受けています。
- 認定された年: 2025年5月
- 現在の状況:現在も有効な認定となっている。
記録20:スーツ着用での最速マラソン(男子)(Fastest marathon in a suit, male)
- 概要: シンガポール人ランナーのソー・ルイ・ヨンがスーツ姿でフルマラソンを 2時間39分57秒 で完走し男性部門で最速となりギネスに認定されました。
- 認定された年: 2025年4月(※ 達成地はロンドン)
- 現在の状況:現在も有効な認定となっている。
記録21:最も高所(建物内)にあるマイクロブルワリー(Highest microbrewery in a building)
- 概要: Marina Bay Financial Centre の「LeVeL33」 が、地上 149.32m の世界一高いビル内マイクロブルワリーとしてギネスに認定されています。
- 認定された年: 2025年3月
- 現在の状況:現在も有効な認定となっている。
記録22:単一会場での最大アマチュアクリケット大会(Largest single location amateur cricket tournament)
- 概要: Kala Singapore と Shaji Philip が主催し、1会場で 2,220 人が参加したアマチュアクリケット大会がギネス記録として認定されました。
- 認定された年: 2024年9月
- 現在の状況:現在も有効な認定となっている。
記録23:混合 4×100m自由形リレーで最速(Fastest swim long course relay 4×100m freestyle, mixed)
- 概要: 2025年世界水泳選手権(シンガポール開催)で、アメリカ代表チームが出場。3分18秒18の記録で、混合4×100m自由形リレー(長水路=50mプール)の世界最速タイムとしてギネス認定を受けました。
- 認定された年: 2025年8月
- 現在の状況:現在も有効な認定となっている。
シンガポールが持つギネス認定記録の特徴
シンガポールが持つギネス記録の傾向は、国の成り立ちや社会の特徴と強く結びついています。多民族国家らしく「食」をテーマにした記録が多く、国民料理や祝祭料理を題材に「最大」や「最長」を競う形で世界にアピールしています。また、都市国家としての存在感を示すランドマーク活用型の記録も目立ち、高層ビルや巨大噴水、最新の映像技術を使ったプロジェクションマッピングが象徴的です。
最後に
シンガポールのギネス記録は、単なる世界一の数値を競うだけでなく、この国の歴史や文化、技術力を映し出す存在でもあります。国土の拡張や食文化、世界初のイベントや建築物など、そこにはシンガポールらしい挑戦と創意工夫が込められています。これらの記録は、今後も新たに更新されていく可能性が高く、国の歩みとともに増え続けるでしょう。シンガポールを訪れる際は、ぜひこうした世界記録にも目を向けてみてください。