HDB住宅とは?

HDB住宅は、HDB(Housing & Development Board)が管理・運営するシンガポールの公営住宅を指します。

住宅の種類には、2ルームから5ルームのユニット、エグゼクティブフラット、スタジオアパートメントなどがあり、家族構成やライフスタイルに合わせて選択する事が可能になっています。一般的に、若いカップルや新婚夫婦は3〜4ルームのユニットを選ぶことが多く、5ルームやエグゼクティブフラットは大家族向けにはオプションとされています。また、HDB住宅は基本的に99年間のリース契約となっており、購入後も政府が管理・規制を行っています。

HDBについて

HDB(Housing & Development Board)は、シンガポール政府が提供する公営住宅制度を管理・運営する政府機関です。シンガポールの住宅の約80%がHDBフラット(HDB住宅)と呼ばれる公営住宅で、多くの国民がこの住宅に住んでいます。HDBは1960年に設立され、シンガポールの都市化と人口増加への対応策として低価格で質の高い住居を提供する事を目的に始まった機関です。

また、HDB住宅は住まいとしてだけではなく、学校や商業施設、公園、クリニック、ホーカーセンターなどの生活インフラまで計画され上での設計となっています。そのため、住宅供給だけでなく、住みやすい環境やコミュニティづくりもHDBの重要な役割の一つとなっています。

HDB住宅の売買について

HDB住宅を購入できるのは、主にシンガポール人またはシンガポール永住権(PR)を持つ人となります。ただし、シンガポール永住権保持者の単独購入はできず、シンガポール国籍者と共に購入する必要があります。

HDB住宅の購入方法には「BTO(Build-To-Order:新築市場)」と「Resale(中古市場)」の2つの主要な選択肢があります。BTOは政府が新しく建設するHDB住宅の申し込み制度で、抽選制となっています。一方、Resaleでは既存のHDB住宅を購入する為、即入居が可能な購入方法となります。

また、HDB住宅は転売や賃貸に関する制限があり、最低5年間の居住義務(MOP:Minimum Occupation Period)が設けられています。

今後のHDB住宅

シンガポール政府は、今後もHDB住宅の質を向上させるために、さまざまな取り組みを進めています。スマートホーム技術の導入や環境に配慮したデザインの採用など、持続可能な都市開発の一環として、HDBの住宅環境も進化し続けています。また、高齢化社会に対応するために、バリアフリー設計や高齢者向けの住宅モデルも拡充されています。