NEWater(ニューウォーター)ってなに?

NEWater(ニューウォーター)とは?

NEWater(ニューウォーター)は、シンガポール政府の国家水戦略の一環として導入された高度再生処理水です。下水処理後の再利用水を、最新のフィルタリング技術と紫外線殺菌を用いて高純度な水へと再処理したもので、飲料水としても使用可能な品質を持っています。

NEWaterは2003年に本格導入され、以降シンガポールの水資源確保の柱の1つとなっています。

NEWaterの役割と位置づけ

NEWaterは、シンガポールにおける水資源の1つとして位置づけられ、現在では国内水需要の約4割(2021時点)を支えています。特に非家庭用の工業用水や電子機器製造現場など、高い純度の水が求められる分野で多く使用されていて、シンガポールの水自給率を高める役割を担っています。また、NEWaterは干ばつ時や水の供給不安に備えるバックアップ水源としても注目されています。

更に、NEWaterの取り組みは世界的にも高く評価されていて、他国の水資源管理のモデルケースにもされています。特に、水資源が限られる都市国家や乾燥地帯の国々では、NEWaterのような再生水の技術導入が進められています。

NEWaterの活用事例

NEWaterは主に工業用途(非家庭用)に多く利用されていますが、国家行事やシンガポールの広報活動の一環として、ボトル入りのNEWaterが配布されることもあります。その一例として、ナショナルデーパレード(National Day Parade)では、シンガポールの持続可能性wをアピールする為に、来客者向けにNEWaterのボトルが配られたりもしています。

NEWaterの製造プロセス

NEWaterは、現在シンガポール内の5カ所あるNEWater工場で生産されています。代表的な施設としては、NEWater Visitor Centreに併設されたBedok工場やChangi工場があります。これらの施設では、実際にNEWaterがどのように製造されているかを学ぶこともでき、一般向けの見学ツアーも開催されています。

尚、NEWaterの製造は、主に以下の3つの工程で構成されています。

  1. 微細フィルターによる固形物や細菌の除去
  2. 逆浸透膜を使ったナノレベルでの不純物除去
  3. 紫外線照射によるウイルスや微生物の完全除去

このプロセスを経て生まれたNEWaterは、WHO(世界保健機関)の飲料水基準をクリアし、またシンガポールの水道局(PUB)からも品質が保証されています。

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