シンガポールのお給料と待遇の基本構成

シンガポールで就職を考える際に知っておきたいのが、シンガポールの企業に入社した時に与えてもらえる待遇についてです。そこで本ページでは、シンガポール国内で最も一般的となるお給料と待遇の基本構成について解説をしていきます。

シンガポールのお給料構成

シンガポールの企業に雇用された場合、主に下記の6項目を中心に給料が支給されます。

  1. 基本給
  2. Annual Wage Supplement (AWS)
  3. 手当(シフト手当て、モバイル手当て、夜間手当など)
  4. パフォーマンスボーナス(固定又は変動)
  5. コミッション又はインセンティブ
  6. 残業代

【シンガポールではこれが重要】

シンガポールの採用現場では、給料の話をする際に「年収」ではなく「月収」を主に使います。ただ、月収では年単位のボーナスやAWSの有無が見えにくく、「雇用主の考える年収」と「社員の考える年収」に誤差が生まれやすくなります。その為、シンガポールでお給料の話をする際は月収以外に受け取れる給料についても確認しておく必要があります。

基本給(Basic Salary)

シンガポール国内の企業に雇用される全ての社員へ毎月支払われるのが基本給です。また、基本給は手当てやボーナス等が含まれていない固定給となります。

AWS (Annual Wage Supplement)

AWSは別名で「13-month salary」とも呼ばれ、年に1回受け取れるボーナスです。一般的には入社月を基準とし1年の最後に1ヶ月分の給料が追加支給されます。AWSは企業によって支払いの有無がわかれます。

給料手当(Allowance)

特別な環境下で労働を行った際に基本給に加えて支払われるのが給料手当です。手当の有無は企業により様々で、固定手当と変動手当があります。(例:残業手当、夜勤手当、シフト手当、モバイル手当、交通費手当など)

パフォーマンスボーナス

個人の業務成績に応じて基本給に加えて支払支払われるのがパフォーマンスです。パフォーマンスボーナスの有無や業務成績の評価基準は企業により変わります。

コミッション / インセンティブ

営業職など売り上げをつくる事を目的とする職種に見られるのがコミッション / インセンティブで、達成した売り上げに応じて基本給に加えて支払われます。基本給とコミッション / インセンティブの割合、セールスターゲット、コミッション / インセンティブの計算式は企業や職務内容によって異なります。

残業代

残業代は自身の労働時間を超えて業務を行った際に支給されます。ただし、企業へ残業代の支払い義務が発生するのは、一定以下の月額給与額を受け取る社員に対してのみとなっています。(それ以外の社員に対しては、企業が方針を決定する事ができます。)

外国人の場合が覚えておきたい内容

上記で解説した給料項目以外に、外国人だからこそ知っておきたい知識をまとめてみました。

  • 月額最低給与額:外国人が申請する就労ビザには月額最低給与額(基本給)が存在します。基本給が月額最低給与額より低いと就労ビザの許可が下りないのですが、その対応策として、複数の給料項目を基本給へ含める事が多々行われています。(固定手当や固定残業代を基本給に入れ込んでしまう等)
  • CPF:シンガポールにはCPFと呼ばれる制度(厳密には違うが日本でいう社会保険に近い)があります。このCPFはシンガポール人と永住権保持者のみを対象とした制度となり、外国人には適用されません。
  • Levy:シンガポールでは、一部の就労ビザを持つ外国人を雇うために外国人雇用税を支払う必要があります。支払い額は企業が雇用する現地社員と外国人社員の比率で変化しますが、日本人の場合はその多くが月々$330もしくは$650となります。Levyは企業が負担するもので社員とは特に関係ありませんが、自身にどんなコストが掛かっているかを知っておく事も大切です。

基本待遇について

シンガポールの企業に雇用された場合、主に下記の5項目が待遇として雇用契約書に記載されます。

  1. 有給休暇(最小7日間)
  2. 医療休暇(14日)
  3. 入院休暇(60日)
  4. 産雇休暇と育児休暇
  5. 社員用の保険

シンガポールで雇用される際の特徴となるのが「医療休暇」と「入院休暇」です。医療休暇は体調不良の際に使用できる特別休暇で、有給とは別に年間14日間(最も一般的な日数)まで申請する事ができます。入院休暇はその名の通り入院をする際に使用できる特別休暇ですが、入院休暇の日数は医療休暇14日間を含んだ日数となり、医療休暇の消費日数に応じて入院休暇の支給日数も減少していきます。(例:医療休暇を3日取得すると、入院休暇の取得可能日数が57日になる)

その他の待遇についても日本とシンガポールでは内容に細かな違いはあるものの、同じような意図・目的を持って支給されています。ですので、本ページでは構成内容までとし各手当に関する詳細は割愛させて頂きます。

その他の待遇

社員への待遇は企業により大きく異なります。下記に例をいくつか集めてみました。また、待遇は規模の大きな企業でより厚く提供されている傾向があり、中小企業では基本待遇のみ提供する企業が多くなります。

  • デンタル手当て
  • 眼鏡手当て
  • 健康診断用手当て
  • スマホ回線等の会社割引き
  • 海外研修

まとめ

シンガポールで転職する際に覚えておきたい給料厚生と基本待遇について解説してみました。給料や待遇は企業を決める上での大きな判断基準となりますので、少しでも現地のルールについては知っておきましょう。

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