
チリクラブ(辣椒螃蟹)は、シンガポールを代表する名物料理です。数少ないシンガポールで生まれた料理の一つで、シンガポール観光庁(SIngapore Tourism Board)もシンガポールの国民食としてチリクラブを積極的に宣伝しています。
また、チリクラブは、2011年にCNN Goが選んだ世界で最も美味しい食べ物で全50品中35位にもなっている料理です。
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シンガポールのチリクラブってどんな料理?
チリクラブは、新鮮な蟹を丸ごとチリソースで炒めたピリ辛料理です。チリクラブに使われるチリソースには、溶き卵やトマトペースト等が入っていてトロッと甘辛いテイストとなっています。(海老チリソースがよく例えで使われます)
チリクラブに使われる蟹はにはいくつか種類がありますが、その中でもよく使われるのがノコギリガザミ(ドウマンガニ、マッドクラブ)です。
チリクラブは、ホーカーセンターやシーフード系のレストランで食べる事ができます。ただ、この2箇所では蟹の身質や量、チリソースの味に少し差が出ますので、ちょっと払っても良いから美味しいチリクラブを食べたいという方はレストランで食べる事をお勧めします。
手がべちゃべちゃになるやつ
チリクラブは殻専用のハサミと手を使って蟹を解体しながら食べていきます。ただ、チリソースにどっぷりと浸かった蟹を手で触ると手がべちゃべちゃになります。これを理由にチリクラブは「手がべちゃべちゃになるやつ」という呼ばれ方もします。
※殆どのお店でビニール手袋を出してくれます
蟹料理なだけに良い値段
蟹を丸ごと使うチリクラブでは、1匹単位で蟹を注文してグループで一緒に食べます。価格は蟹の種類と大きさによりますが1匹およそ$50~$90となります。
実際の食事ではチリクラブ以外の料理や飲み物も頼みますので、レストランで食べると1人あたり$100前後となる価格帯です。
隠れた主役は「饅頭(マントウ)」
新鮮な蟹に加えて濃厚なチリソースが絶品なチリクラブでは蟹以外の物をチリソースにつけて食べます。その中でも誰もがお勧めするのが饅頭(マントウ)と呼ばれるパンです。
饅頭の持つほんのりした甘味とフワフワの食感がチリソースと絶妙に合い、中には蟹よりも饅頭が好きだと言う方もいます。(白ご飯にチリソースを掛けて食べても最高です。)
チリクラブの歴史
チリクラブは、1956年に当時シンガポールで屋台を営んでいたチャー・ヤム・ティアン夫妻が、蒸しガニの代わりの料理法としてカニをチリソースで炒めたものを売り始めた事が始まりと言われています。
その後、1963年にドラゴン・フェニックスというレストランをオープンしたシェフのホイ・コック・ワー氏が、瓶入りの唐辛子とトマトソースを使ったオリジナルレシピを、サンバル、トマトペースト、溶き卵を使ってさらに酸味のある味に変え、以来、シンガポールで最も楽しまれる一品となりました。